2003/7/26 南部記念
世界選手権代表の調整ぶり@
朝原宣治
向かい風の中の好走で本番に明るい見通し
「だいぶつながってきましたし、筒もできてきました」

 スタートのいい川畑伸吾(群馬綜合ガードシステム)が「気がついたら朝原さんが前にいた」というくらいだから、朝原宣治(大阪ガス)がスタートから前に出ていたはずだ(もしかすると、両端のレーンの選手が前に出ていた可能性はあるが)。その後も危なげなく10秒41(−2.0)で逃げ切った。ところが、朝原自身は「スタートしてちょっと脚がつりそうになってしまった。少し抑えたような走りでした」と振り返っている。
「中盤でもう少しスピードを出せるレースだったと思います。でも、中盤から後半は問題なくスーッと行けました。春のレースはフィニッシュしたら力が残っていませんでしたが、今日の走りなら110mは走れましたね。だいぶ(いい部分部分が)つながってきました。筒()もできてきました。まだ少し、左にぶれる感覚はありますが、かなり直ってきていると思います」
※筒とは、地面にうまく力を伝えられる走行中の姿勢を表現した言葉。
 なお、予選の朝原は向かい風0.5mで10秒32。いい感じで仕上がってきているように見受けられた。今の状態でも、上手く調整できれば2次予選は突破できそうな感じ。
「残り1カ月ありますから、焦らずにもう1回、色々とやることができます。1次予選でスポッとはまれば、楽に行けると思います」
 問題は本番までに、準決勝を突破できる状態にまでもっていけるかどうか。出遅れていた朝原が、かなり明るい見通しとなってきた。

 川畑は前半よりも中盤以降でいい動きを見せ、10秒52で2位。
「(スタートでリードされるのは)予選からそうだったので、決勝で慌てることはありませんでした。それよりもタイムが悪すぎます。僕は向かい風は影響しないはずなんです」
 当初は4×100 mRでもう1人の追加がある予定だったが、残念ながら追加代表自体が見送られてしまった。
 一方、3位(10秒58)となった土江寛裕(富士通)は、なんとか世界選手権代表の面目を保ったが、「2位に入らないとダメです」と自身に厳しい評価。「ヨーロッパ遠征よりはよくなっていますが、向かい風だとどうしても、スタートでポンッと立ってしまうんです」と、反省しきり。
 土江と、世界選手権4×100 mR1走のポジションを争うかもしれない宮崎久(ビケンテクノ)は6位(10秒70)。

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