2003/10/26 NEW!! わかふじ国体 1日目
豊永が日本人2人目の17m!! B標準突破!!
「震えました。自分の限界かな、と思いかけていたときでしたから、すごく嬉しい」

1投目 2投目 3投目 4投目 5投目 6投目
市岡寿実 16m20 16m22 16m35 16m67
豊永陽子 16m19 16m43 15m65 16m22 16m16 17m28
森 千夏 16m61 16m80 16m67 16m79 16m73

 成年女子砲丸投は上記試技表のように、日本記録(17m80)保持者の森千夏(スズキ)が5投目まで16m80でリードしていたが、6投目に豊永陽子(健祥会)が短い気合いの声とともに、砲丸を速いスピードで弾くように突き出した。豊永の自己記録は、昨年のアジア大会でマークした16m90(当時日本記録)。6投目が17mラインを越えたのはすぐにわかったが、記録は17m28とアテネ五輪B標準の17m20をも上回っていた。
 森の6投目は珍しく左のライン寄りにに落ちる投てきで、記録を伸ばせなかった。森が日本選手に敗れたのは昨年6月の日本選手権以来のこと。森にとっては地元国体で痛い敗戦となった。
 3位の市岡寿実(国士舘ク)は16m67と、5月の東日本実業団で出した自己記録を1cm更新した。

写真:表彰台の国士大OBトリオ

豊永コメント
「6投目は、最後なので来シーズンにつながる投げをしたかった。今、持っている力を全て出し切ろうと思いました。目線が上手く残せて、砲丸も手にずっと残せていました。一瞬の間のことなんですが、“これは投げるしかない。この感じを大事にしないといけない”と思えるくらいでした。でも、(リリース時の)感触はあまりよくなくて、ひょっとしたら16m(少し)かと思ったんです。先輩たちが17m行ったと言ってくれて初めて、ひょっとしたらと思うことができました。
 記録が出たときは震えました。17mはずっと壁でしたから。最初に16m10を投げた学生のとき(99年)からずっと、でした。森が最初に17m投げて、私は18mを目指すしかないという意識はありましたが、心のどこかであきらめている部分が、ちょっとはあったのかもしれません。何も考えずに投げることができなかったのが低迷した原因です。そろそろ自分の限界かな、と思いかけていたときでしたから、すごく嬉しいです。これでまた、さらに上を目指していけます。
 日本選手権は記録を狙いすぎました。世界選手権を狙っていた、力んで失敗したのだと思います。調整は上手くいっていたし、日本選手権は何回も経験しているのに、今年はプレッシャーが違いましたね。
 9月の終わりからやっと、調子が上がってきました。それまではウンともスンとも言わなかったのに、急に動きがよくなったんです。暑かった時期に頑張ったことが、10月になってなって生きてきました」

森コメント
「左に開くのが早かった。それを固めて行こうとしましたが、コントロールできませんでした。昨年の日本選手権を思い出しましたね。あのとき以来の悪夢です。やってはいけないことを、やってしまいました。17m80を持っているとは考えず、とにかく勝つことだけを考えていたのですが。図に乗っていたのかもしれません」

市岡コメント
「自己新ですけど、試合運びが最悪です。2・3投目が情けなさ過ぎです。あそこで切り換えられれば、もう少しいい投げができたと思います。リバースのことばかり考えてしまって、スタートの部分ができていません。東日本のときはリバースを入れていませんが、あのころから半々で入れて試していて、スーパー陸上からフルで入れています。いつも小さい自己新なんですが、それがものにできれば大きく自己記録を伸ばせると思います」


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