2003/10/26 NEW!! わかふじ国体 1日目
1日目ダイジェスト

■地元・美濃部がラトゥに逆転勝ち
 最初の決勝種目である成年女子砲丸投は地元・静岡の本命選手が敗れたが、13:30から行われた少年A女子砲丸投はそれとは逆のケース。本命選手を破って、地元選手が優勝した。
 3投目に14m13を投げたインターハイ2連勝のラトゥ(埼玉・埼玉栄)を、美濃部貴衣(常葉学園橘)が5投目に14m28をプットして逆転した。ラトゥも6投目に14m14と記録を伸ばしたが及ばなかった。美濃部の14m28はインターハイ2位だったときに出した14m13を更新する自己新。今季高校最高記録でもあった。
「優勝が決まった瞬間、今までのことが全部、頭に浮かびました。国体で1位を取りたかったんです。静岡国体で。インターハイは2位でしたが、悔しい思いを持ち続けられたのがよかったと思います」
 ここまで意気込んでいた美濃部に対し、ラトゥはインターハイ後、陸上競技をやめるか続けるかで迷っていたという。
「1週間前に続けると決めて、練習を始めたのも1週間前から。それでもインターハイと同じような記録を出せてビックリ(14m18と14m14)。負けたけど、嬉しかった」
 元々、インターハイでの記録差はわずか5cm。国体に賭ける2人の気持ちの差を考えると、十分にあり得るだった。
 美濃部にそのつもりはなかっただろうが、成年女子砲丸投で敗れた森千夏(スズキ)の雪辱を果たした格好だ。美濃部は森から受けたアドバイスをしっかりと心に刻んでいた。
「砲丸投は脚が基本。脚から脚から、という気持ちでやれば大丈夫だよと言われました。今日は突き出すイメージよりも、脚を意識しました。だから、試合中も動くことが大事だということも言ってくれました」
“優勝と2位”は“8点と7点”という差だけではない。チームに勢いを付けることができればもっと大きな差になるが、逆に、絶対に勝てると思われていた選手が負ければ、勢いがなくなってしまう。その点、この日の静岡県チームは、美濃部の優勝で勢いを盛り返したと言えそうだ。
写真:7月の静岡県選手権の競技後、美濃部(左)にアドバイスをする森(右)。中央は橘高教員の山内七重

■北海道勢が3種目に優勝の快進撃、初日の天皇杯・皇后杯をリード
 さながら北海道デーだった。
 少年共通男子円盤投で越智大輔(北海道・帯広農)が56m20の大会新で勝つと、少年A100 mを北風沙織(北海道・恵庭北)、品田直宏(北海道・札幌国際情報)と女男とも制した。北風は11秒84(−0.2)で2位に0.23秒差の大差。ジュニア選手権、インターハイに続く3冠を達成した。品田は10秒45(±0)だったが危なげない勝ちっぷり。世界ユース金メダルの走幅跳でも、この日の予選で7m50(+0.2)を記録し、同一大会の100 m&走幅跳2冠、4×100 mRも含めた3冠に期待をつないだ。
「北風とのアベック優勝が嬉しいですね。北風はジュニア選手権、インターハイと勝っているので普通に走れば勝てるわけです。『私が勝ったら品田も勝ってね』と言ってくれていました」
写真:表彰後の北風と品田
 気持ち的には北風の存在がプラスとなっていた品田。練習面では札幌国際情報高の後輩、少年B200 mで8位と入賞した伊丸岡亮太の存在があった。
「地区大会までは独走なので力む要素がなくていいのですが、インターハイでは競り合う状況になって失敗しました。伊丸岡を5m前からスタートさせる練習をやりました。自分は追う状況でも力まないように、向こうは追われる状況でも力まないようにしようと」
 3種目を制した他には、木田真有(北海道・福島大)も成年女子400 mで2位。北海道は初日の天皇杯を49点、皇后杯を32点で、ともにトップに立った。

■インターハイへの強化が継続効果、長崎勢も絶好調
 今夏のインターハイ開催地、長崎も初日好調だった。天皇杯では北海道に7点差の2位、皇后杯では9点差の7位につけた。
 少年共通女子走高跳はインターハイ3位の山口未紗(長崎・長崎女高)が1m72で優勝。インターハイ優勝の美馬範子(京都・西京)を同記録ながら抑えた。
 少年A男子5000mWでも、インターハイでは失格の憂き目を見た森岡紘一朗(長崎・諫早)が、同じくインターハイは予選で失格していた岡村和樹(三重・鳥羽商船高専)に20分58秒70で競り勝った。
 少年A男子100 mではインターハイ準決勝止まりの里大輔(長崎・長崎南)が10秒54(±0)で2位と、予想を上回る大健闘。
 そして少年A女子砲丸投では、円盤投のインターハイ優勝者の林田真那美(長崎・口加)が13m57で4位。ただし、回転投法ではなかったので理由をすれ違いざまに聞くと「間に合わなかった」とのこと。記録もインターハイを30cm下回った。

■その他、目に付いた好記録
 少年共通男子円盤投では、国体カテゴリーでは少年Bとなる蓬田和正(兵庫・姫路商高)が4位。50m96の高1最高をマークした。高校1年生では少年B200 m優勝の金丸祐三(大阪・大阪高)も、21秒37(−0.1)と高1歴代3位タイをマーク。大会記録も10年ぶりに更新した。昨年、天皇杯46位(10点)に終わった和歌山県では、少年共通男子棒高跳の濱田晋也(和歌山北高)が2位。他にも2種目で入賞し、初日で早くも昨年と同じ10点を獲得した。インターハイ女子やり投で53m72のジュニア日本新・高校新をマークした吉田恵美可(奈良・添上)は今大会も53m21の大会新と好調だった。


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