2003/12/13 全日本実業団対抗女子駅伝前日
渋井&福士は3区、弘山は1区
有力チーム監督コメント
「1区が行ったらそのまま……」(鈴木監督)
「(福士は)イメージ通り走れていない1年間を振り払う走りを」
(永山監督)
「簡単に逃がすわけにはいかないので、1区は絶対に外せない」
(弘山コーチ)

区間エントリー一覧
 全日本実業団対抗女子駅伝の区間エントリーが決定した。淡路島優勝のワコールは福士加代子と野田頭美穂の2人を3区・5区のどちらに起用するか注目されたが、3区福士、5区野田頭に。前々回優勝の三井住友海上は、東日本終了時にはつなぎ区間への起用も予想された渋井陽子を、3区に投入した。
 やや意外だったのが資生堂で、弘山晴美を1区に起用してきた。UFJ銀行は1区川島真喜子、3区川島亜希子、5区大南博美、6区大南敬美と、両双子姉妹を主要区間に配して竹内監督の最後の駅伝に賭けている。
 一方、有力チームの主力に欠場者が目立った。三井住友海上の土佐礼子に天満屋・松岡理恵、ノーリツ・岡本治子という世界選手権代表経験者に、ダイハツ・山中美和子、前回優勝の第一生命・羽鳥智子、京セラ・高仲未来恵ら。分厚い選手層を誇る三井住友海上以外は、優勝戦線から一歩後退した。

三井住友海上・鈴木秀夫監督
「渋井(陽子)はマラソン練習の疲れがあるのは確かですが、自分から“私が3区をやらないとダメでしょう”と言い出してくれた。大阪(国際女子マラソン)にマイナスにならない限りやるし、上手くスピード練習としてスケジュールの中に組み込めました。
 1区(橋本歩)が行ったら、そのまま行けてしまうかも。1区が混戦でも、2区から行ける。10kmだって走れる大平(美樹)が2区で、1区もできる岩元(千明)が4区なんですから。去年は調子の悪かった橋本を1区に使わざるを得なかったけど、その点、今年は余裕のある仕上がりです。
 でも、そういうときほど落とし穴があるんです」

ワコール・永山忠幸監督
「1・2区でちょっと後れた場合、福士(加代子)なら流れを変えられるし、上位で来たら貯金ができます。野田頭は流れの中のレースはできますが、順位を押し上げる走りはまだ苦しい。(優勝を狙うのでなく)3位以内に入れば、来年につながります。
 福士は去年の転倒を思い出しているようで、そのことを口にも出しています。逆に、そのことを隠しているようだと、跳ね返す力がなくなってしまう。この1年間、イメージ通りの走りができませんでしたから、その思いを振り払うような走りをしてくれると思います。敵は見えない自分と言い聞かせています。最初の1kmから思い切って行って、押し切る走りをすると思います。それができないと、来年のトラックシーズンに結びつきません。
 区間記録(31分10秒)はずっと狙っていますが、晴れると向かい風になって厳しいかもしれません。それよりも、区間賞を取らせてあげたい。自分の走りをやりきって取れなかったら、力がなかったということです。
 2人以外では1区の鈴木ですね。トップグループで持ってきてくれると、面白い展開になりますよ」

資生堂・弘山勉コーチ
「(大方の予想を覆す弘山晴美の1区は)加納(由理)が貧血になって5区に行けなくなったので、尾崎も力を付けていますが、1区をできる選手がエスタか晴美しかいなくなってしまいました。全日本で1回も1区をやっていないので、走りたいと言っていたこともありますし、“1区がいないなら私が”と言ってくれました。簡単に(三井住友海上を)逃がすわけにはいかないので、1区は絶対に外せないところです。
 スピードは(大阪国際女子マラソンへ向けた練習をしているので)あまりやっていませんが、それは9月の全日本実業団で確認できています。それに、弘山晴美の場合、長い距離を走るマラソン練習ではありません。間隔を空けずに反復することで、結果的に持久力が付くんです。
 もちろん、チームは優勝を狙っています。そういうオーダーを組みました。前半から優勝を狙う流れに乗るためにも、晴美がしっかり走ってくれるかどうかですね。エスタも、入社して一番、精神的に集中できています。彼女も気持ちで走るタイプですから。昆明でも結構、走れていましたし。
 晴美が唯一やり残していることが、オリンピックのマラソン以外では、駅伝の優勝なんです。チームの仲間も、“晴美先輩と優勝を達成したい”と言ってくれています」

2003実業団女子駅伝
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