2003/11/2 全日本大学駅伝
山梨学大、難しい3位の評価
上田監督の語る箱根への危機感と光明

 課題とされた4本柱以外の選手は3区・川原が区間15位、5区・森が区間8位、6区・向井が区間12位、7区・金子が区間3位と、1年生の金子以外は合格点とは言えない区間順位だった。

上田監督「つなぎの区間はよくありませんでした。3区、6区は修復不可能と言ってもいいくらいのやられ方。あれが箱根だったら、目も当てられない事態になっているでしょう。暑さの影響も若干、あったかもしれません。森は突っ込んで失敗しました。川原は、暑さがどうというレベルではなかったですけど。向井は(出雲に続いて)また、焦ってしまったようです。練習のときの走りではありませんでした。金子はよく粘ってくれましたが。エントリーの締めきり後に記録を出した選手もいたりして、上手くいきません」

 山梨学大には4本柱と言われている選手がいる。モカンバはハーフマラソン関東インカレ優勝や、過去の駅伝で区間賞を総なめにしている実績からロードの学生第一人者、橋ノ口滝一は日本インカレ5000m&1万m優勝者でトラックの学生第一人者といわれている。高見澤勝は日本インカレ・ハーフマラソン2位、森本直人は関東インカレ1万m7位。1万m28分台の選手が4人いるチームは他にない。

上田監督「せっかく柱のいるチーム。柱に頼るのでなく、4人が存在感を示し、あとの選手がだったら俺たちも行くぞ、となれば理想ですが。(日本人の)3人もモカンバがエースと考えるのでなく、俺がと思ってほしい。今は4つの柱で支えているのでなく、負担のかけ合いをしてしまっています。
 モカンバ以外の選手がアンカーに行っても、本当ならいいのです。大東大の野宮君があれだけ走っているのですから、高見澤や橋ノ口でも遜色ないはず。モカンバがいるから自分は他の区間でいい、となったら柱になっていません。寄りかかっていますよ。そこに、さらに他のメンバーが寄りかかっているのが現状です」

 しかし、これまで駅伝となると失敗を繰り返し、トラックで見せる力をまったく発揮できていなかった橋ノ口が、4区に出場した今回は、学生駅伝で初の区間賞を獲得。6人抜きの快走を見せた。

上田監督「橋ノ口が単純に、俺も駅伝で行ける、と思ってくれたらいいんです。後半がダメとか、*****(聞き取れませんでした)がダメとか思わずに。誰でもダメなところは持っているもの。それを乗り越えてこそ成長がある。
 今日は、そのきっかけとなるかもしれません。出雲のときのように周りの様子を見ないで、躊躇しないで行きましたから。自信を持てと口で話してハイとよくなる世界ではありません。今回の走りが、本人の自信になると思います」

 箱根駅伝に向けて。

上田監督「総合力のあるところがやっぱり有利。エース区間で額面通り走って、つないでいく走りが必要です。ウチはこれからの2カ月、危機感をもってやっていかないと。ただ、今回の結果で蹴落とされた感じはありません。突き放されたくらいです。
 底上げという部分は今後、ハーフマラソンなどで競わせてやっていきます。面白い選手も出てきています。あとは登り下りですね。登りで1時間12分台が読める選手と、下りで60分を切れる選手が養成できれば、状況は変わってきます。下り候補はいますよ。登りは(前回1時間12分33秒の)森本もいますし。
 モカンバも頑張ってくれましたから、トーンダウンはしていません。ダントツはなくて、トツだけですから。どこにもチャンスはあると思います。プラス思考で行きます」


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