2003/12/12 大東大共同取材
只隈監督&選手コメント
「思い切った区間配置で後半勝負に持ち込みたい」
(只隈監督)
「国際千葉駅伝でアップダウンへの自信ができた」
(佐々木)

只隈伸也監督コメント
「前回優勝できなかったのは、3年生(現4年生)に原因があったのは明らかです。村田が2区でブレーキをして(区間17位)柴田は欠場、村井も6区でよくなかった(区間10位)。1月3日の夜の反省会の間、約2時間半、村田は泣きっぱなしでした。それは何の涙だ? ただ悔しいだけでは結果は出ない、1年間それだけのことをやってこないと結果は出ないぞと、そこから話が始まりました。監督として牽引する部分もありますが、チームは基本的にその年、その年の4年生が作り上げていくものです。その中で4年生が、優勝するための『努力と我慢』という言葉を考えてきました。
 今の4年生は自分が大東大に来た1年目(コーチ時代)に勧誘した選手たち。村田には『夢をかなえるため、オマエに頼みたいんだ』と言って連れてきた。2年目が僕の大東大の指導者としてのスタート(監督就任)でしたが、夢を語りながらなんとか一緒についてきてくれた。優勝できるできないはともかく、優勝を目指すのは当然のこと。僕らはジョガーでも同好会でもないんです。嬉しかったのは4年生が、『優勝が夢ではなく、目標としてやれるのが嬉しい』と、取材の中で答えてくれたときです。3年前は駒大・順大の時代で、入る選手を見たら日大も3年後には強い。彼らが1年生の時は予選会から戦っているんですから。現実的には厳しい部分がありましたが、勝負はそれだけで決まるわけじゃない。
 出雲と全日本は、(ステップとなる部分と課題と)両方があったレース。出雲は今年、万全で行こうとしましたが、そこは生き物でうまくいかなかったんですが、それを補えた。全日本もいくつかアクシデントがありました。チームとして、総合的には及第点ですが、ただ、勝負事はチャンスを逃したら勝てません。全日本は駅伝でやってはいけないことが、いくつかの区間で出てしまった。成績が良くても兜の緒を締めないといけない大会でした。
 全日本で一番感じたのは、駒大の強さです。太田君がブレーキをしたと見る向きもあるようですが、ウチの学生があの状況だったら分差をつけられていたでしょう。あの落ち込みにとどめた太田君のラスト2kmを見たら、怖いなと思いました。全日本のような力じゃないでしょう。120%の力を出さないと勝てない相手です。
 確かに駒大、駒大と僕は言っていますが、実際には出雲は日大で全日本は東海大が勝っています。流れによっては、いくつかの大学に優勝のチャンスがあるでしょう。ただ、ウチもどこが来ても対応できる力はある。(東海大の)中井君は優勝狙うのなら5区でしょうけど、2区に来ても5区に来ても、対応できます。残り9人の力関係で、ウチはひけを取らないと思っています。
 区間配置は思い切ったことをやろうと思っています。皆さんが見たら思い切っていないと思われるかもしれませんが…。僕の中では復路勝負のつもりでいます。もちろん前半で後れたら致命傷ですけど、復路の最後で勝負に持ち込める、もしくはその前に突き放せるオーダーを組みたい。9・10区で46km、2割を超える距離が残っています。そこに、ウチの20%以上の力を注ぎ込みたい。
 ここ数年、1区があんな状態です。学生連合の白浜君が1区に来るのでしょうが、個人の20kmは経験があっても駅伝の20kmは初めて。永田(宏一郎)君が以前の全日本でやったように、突っ走ることはできないでしょう……(以下、省略します)。
 他チーム(の主力)と比べても、佐々木と野宮の状態がいい。柴田を含めた3人で主要区間を任せられます。村田は速いペースに対応できず出雲・全日本とよくありませんでしたが、3分ペースやハーフの1時間3分台だったら十分に対応できます。出雲や全日本とは違う走りをしてくれると思います。
 下りは前回予想以上に悪くて、今回も若干不安はありますが、5区6区トータルしてそこそこは行けるはずです。
 つなぎの区間が前回以上に計算できます。前回は7・8区が区間2ケタ順位でしたが、仕方ない状況でした。逆に、区間1位から1分以上後れても総合4位に入れた。それを考えると、今回は優勝を狙うチームのつなぎを十分に果たせると思います。そう考えると、自然と10区間は埋まりますね」

佐々木誠(3年)コメント
「箱根の重要区間は2区と山と9区。自分の適性として山はないと思うので、2区か9区を走りたい。(前回の箱根・今年の全日本と)1区が多いのは、安定性が買われての起用だと思います。(一目置く存在は)柴田さん。出雲では最後に追って準優勝、全日本は4区でトップに立ちました。絶対的なエースと言える選手です。自分はまだ追う区間の駅伝をしたことがありませんが、その立場になったら、柴田さんのようにしっかり走る自信はあります。
 これまで自分はアップダウンのあるコースには弱いと思っていました。実際、去年の全日本は1区の予定でしたが、アップダウンがあって自分から逃げてしまいましたが、11月の国際千葉駅伝の(アップダウンの激しい)5区で日本代表の野口(憲二・四国電力)さんに10数秒勝つことができ、恐怖感が取れました。箱根の2区の坂でも大丈夫です。
 自分にとって(出られなかった)全国高校駅伝も箱根駅伝も、通過点だと思っています。自分が成長できた結果、県大会に出るのと同じ感覚で箱根に出られるようになったのが嬉しいですね。今年、ハーフで1時間03分12秒と秋山(羊一郎・ホンダ)さんの大東大記録に並びました。来年は1万mで秋山さんの大東大記録(28分25秒78)を破りたいです。卒業後は実業団に進んで、世界を舞台にマラソンで活躍したいと思っています」

村田義広(4年)コメント
「前回は2区でブレーキをして号泣しました。夏に右ヒザを故障して2カ月近く休んでしまい、全日本大学駅伝後にまた痛めて、12月から1カ月の練習しかできていなかったんです。今年も5月下旬に右のふくらはぎ(脛?)を痛めた影響で、2カ月休みましたが、1カ月の練習でユニバーシアード(ハーフマラソン)で4位に入れて、自信になりました。気持ちが大事だということがわかりました。
 前回は本当に4年生に申し訳ない気持ちで一杯でした。そのときに来年は優勝しようと柴田と話して、“努力と我慢”を基本にしようと決めました。なあなあをやめ、寮の規則をきちんと守ろう、寮内での飲酒など私生活を自主規制しようと。
 個人的には区間賞がまだないので、1回は取って卒業したい。将来はマラソンをやりたい。憧れは清水康次さんです」


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