2004/1/4 箱根駅伝
3・9位のタイム差は過去最短の3分01秒!!
3・6位のタイム差は過去最短の2分01秒!!

箱根駅伝らしくなくなった箱根駅伝


 個人的な感想で恐縮だが、数年前までは箱根駅伝の復路、それも終盤はそれほど順位の変動を気にしなくて済んだ。それが昨年あたりから、まったく目が離せなくなってきた。テレビ局が丁寧に5位前後やシード権争いを追いかけているせいだろうか、とも思ったが、どうやら確実に、9区・10区での競り合いのシーンが増えてきている。10年以上も箱根駅伝を取材している人間にとって、これは大きな様変わりと言える。
 ということで、現行コースとなった2000年大会以降の1・2・3・6・9・10位のタイムをリストアップし、タイム差がどのように変化してきているかを調べてみた。すると、この2年間の3・6位、3・9位のタイム差が、3年前までと比較して著しく短縮されてきていることがわかった。10位とのタイム差が今回開いているのは、山梨学院大と大東大の2チームが失敗した影響だろう。対照的に1・2位のタイム差が過去最大、1・3位差が2番目となっているのは、今回の駒大の強さを示している。戦力拮抗の傾向が進む今日、このデータは驚くべきものだ。

1位 2位 3位 6位 9位 10位 1・2位差 1・3位差 1・9位差 1・10位差 3・6位差 3・9位差 3・10位差
2004 11:07:51 11:13:48 11:16:17 11:18:18 11:19:18 11:21:48 5:57 8:26 11:27 13:57 2:01 3:01 5:31
2003 11:03:47 11:08:28 11:12:52 11:16:56 11:17:31 11:17:33 4:41 9:05 13:44 13:46 4:04 4:39 4:41
2002 11:05:35 11:09:34 11:09:54 11:16:29 11:21:44 11:22:40 3:59 4:19 16:09 17:05 6:35 11:50 12:46
2001 11:14:05 11:17:00 11:19:17 11:28:05 11:29:18 11:29:48 2:55 5:12 15:13 15:43 8:48 10:01 10:31
2000 11:03:17 11:07:35 11:09:58 11:18:12 11:22:58 11:23:27 4:18 6:41 19:41 20:10 8:14 13:00 13:29

 個人的な推測で恐縮だが、取材各社はこれまで8・9区あたりでもう、誰がどの大学を取材するのか担当を決めていたはずだ。各大学の指導者たちも、そのあたりでレース後に選手やサポーター、マスコミに話す内容を決めていたと思われる。それが今は、10区の終盤にならないと決められなくなってきているのだ。1区間が長いからできたことであるが、以前はフィニッシュ1〜2時間前に段取りができた。それも箱根駅伝らしさだったと思うのだが、どうやら、その“らしさ”も失われてきつつあるようだ。


学生駅伝03-04トップ
寺田的陸上競技WEBトップ