2003/5/19 東北インカレ
福島大カルテット特集B
竹内が大幅自己新の2分10秒14で3連勝
坂水は800 m初試合で2分10秒25

 女子800 mは今大会2連勝中の竹内昌子(福島大4年)と、800 mへの出場は初めてとなる坂水千恵(同3年)のマッチレース。オープンレーンとなる100 mで坂水がややリードすると、200 mで竹内が背後にピッタリ付いた。2周目の1・2コーナー間で竹内が前に出て、そのままリードするかと思われたが、坂水も粘る。最後の直線に入って坂水が並びかけようとしたが、竹内がそれを許さず0.11秒差で逃げ切った。
 竹内の2分10秒14は「昨年の東北総体の2分16秒56」(竹内)を6秒52上回る自己新。先輩の吉田真希子(FSGカレッジリーグ)が2000年に出した2分11秒36を上回る大会新だった。坂水も当然のように、予選の記録(2分26秒62)を大きく上回った。正確なデータがあるわけではないが、通常、800 m選手は、もうちょっと低いレベルの段階で取り組み始める。2分10秒25は800 m初試合日本最高と思われる(と書いてしまったが、大湊慧が2000年11月<当時三条高1年>の初800 mで2分09秒99)。

距離 先頭通過 スプリット
200 00:30.9 00:30.9
400 01:04.6 00:33.7
600 01:38.3 00:33.7
800 02:10.14 00:31.8

 上記のスプリットタイムからもわかるように、200 mから400 m、400 mから600 mがまったく同じタイム。そして、最初と最後の200 mがそれよりも速いタイム。「練習の300+600+300のイメージで行きました」と竹内は説明する。最初の300mを速いペースで行い、次の600mはイーブンでペースを維持する感覚、最後の300mを再度ペースアップするという狙いの練習なのだろう……と思ったら、違っていた。練習では全てを、同じペースで行なっていたようだ。
「300mを47秒くらい、600mもそのままのペースで1分34秒で通過したかったんです。1分37秒と聞いて、遅いと思って切り換えました。ラストの200 mは根性でした。(坂水を抜いたシーンは)1周してダラけるところだったので、しっかり走ろうと思って前に出ました」

 つまり竹内は、もう少し上の記録を想定していたことになる。800 m初試合だったにもかかわらず、坂水が最初から積極的に行ったのも、練習の過程で行けるとわかっていたからだった。
 過去に世界選手権やアジア大会に出場し、1週間前には個人種目(女子400 mH)で世界選手権B標準を突破した吉田の存在は、普通に考えたら、後輩の学生選手にとって大きな存在のはず。ところが、福島大の選手たちは、吉田の東北インカレの記録を壁とは考えていなかった。400 mは昨年、木田真有が吉田の大会記録を破り、400 mHと800 mは今年、久保倉里美と竹内が破った。

「最初は、そういう感じ(大きな壁)に思っていましたが、真希子さんと練習しているうちに、身近な記録と考えられるようになりました。次は、真希子さんの東北学生記録(2分07秒09)を破りたい」
 竹内にここまで言われると、先輩の威厳がなくなってしまうのではないかと思われたが、当事者の感覚は違っていた。
「記録は破られるためにあります。今回の400 mHや800 mのようにみみっちく破るんじゃなくて、もっと大幅に破ってもらいたかったですね。800 mは練習の感じでは、東北学生記録くらい破っても、おかしくなかったんです」と、この日の吉田はコーチの顔。福島大がチームとして、いい循環になっていることをうかがわせた。


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