2003/5/14 関西インカレ
助走距離を伸ばせた女子やり投の関川が
51m04の学生歴代4位!
「最初は40mラインかと思ったんです」

記録は関西学連

 女子やり投は関川由美(大体大3年)が51m04と、学生歴代4位の好記録で優勝した。何はともあれ、自身初の50m台となった4投目を振り返ってもらおう。

「最後、振り切ったとき、力が入っていないように感じました。手への力感がなかったんです。その前の2投も47m台だったので、あまり期待しなかったんですが、測定する人たちがバーっと逃げていって、ラインを超えたのが見えました。でも、最初は40mラインかと思ったんです。そうしたら、スタンドがオオーっと沸いて、(50mだと)わかりました」

 記録が出たときに「手応えがない」という話は、ときどき聞くことがある。

「“脚が合った”からだと思います。去年の西日本インカレで49m30(自己記録)を投げたときも、“抜けたかな”と感じました。脚が速く動いてスピードが使われているからでしょう」

 さらに、この日は好調を自覚していた。助走の距離に現れていたのだ。

「3投目から助走を長くしました。クロスは5歩なんですが、助走の歩数は決めていません。だいたいの目安でやっていますが、今日は2レーンまで下げました。これまでで一番長く取ったと思います。スパイクをつけて走ってみて、1・2投目の調子を見て2〜3m下げたんです。自分でも、脚が動いていた証拠だと思います」

 関川はこのところ3年連続してインターハイの投てき優勝者を出している恵庭南高(北海道)出身だが、彼女自身はインターハイは予選落ち、ベスト記録は40m95の選手だった。それが、大学3年目で10m以上も記録を伸ばし、冒頭でも紹介したように自身初の50mスロー。

「50mを目標にはしていましたが、自分的には未知の距離でしたし、投げた瞬間も“ホントに投げたのかな”と思いました。50mっていうのは、高校の頃に植木(秀美・筑波大)さんが51m投げて、化け物じゃないかと思ったくらいすごい数字です。今後はまず、今回の自己記録近くを安定して投げることが目標。気を抜いたらすぐに、47m、46m、45mと下がりそうですから」

 大体大としては、学生記録の55m38を持つ小正和代に次いで、2人目の50mスローワー。「先生がやり投専門ですし、クラブ内でインカレに出るため、学年の上下に関係なく戦いがありますから」と、大体大の強さをアピール。関川自身の特徴は筋力と柔軟性、特に肩と体幹部分が他の選手よりも柔らかいと言われている。高校生の頃、手が届かない存在だった植木の関東インカレ優勝記録は51m30。柔らかい肩を武器に、肩を並べるところまで迫っている。


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