2003/5/14 関西インカレ
昨年の女子短距離3冠、野木が近大に編入
“際どい進路決定(?)”で将来は……

記録は関西学連

 武庫川女大4回生だった昨年、女子100 m・200 m・4×100 mR(4走)の3冠となった野木香里が、今年は近大のユニフォームで出場していた(写真)。その経緯を尋ねると、次のようなことだった。

「実業団で続けてみたくてアタックしたんですがダメで、競技はすっぱりやめようと思いました。11月の(関西)学年別が引退レースのつもりだったんです。ところが、2月末にほぼ内定しかかっていたところがドタキャンになってしまって…。で、競技に未練もあって、近大の3年に編入しました」

 近大といえば、男子100 mで世界選手権B標準を突破した石倉一希(近大→島根大院)だけでなく、近年短距離種目で活躍する選手が徐々に出てきている。昨年の日本インカレでは両リレーで決勝に進出した。そういった環境が同じ関西に存在したのは、好運といえないこともない。
「男子しかいないんですが、意識の高さを感じます。環境が違いすぎてビックリしています」

 3月7日からの近大の合宿に参加したというのだから、2月末の内定“ドタキャン”は、野木にとって“青天の霹靂”というよりも、踏ん切りをつけるいいきっかけだったのかもしれない……という方向でマスコミは書きがちだが、野木本人にしてみれば“あなたは要らない”と言われたのだから、傷つかないわけはない(と思うのだが)。
 事実として言えるのは、野木が素早く決断し、素早く行動したということ。そして、今回も、これまでも、際どいところで彼女の進路が変わってきているということ。

「100 mも200 mも、日本選手権のA標準を切っているというのが続けたかった理由ですし、日本インカレも2位(01年)、3位(02年)なので、1位を取りたいですからね」

 2年前の日本インカレは標準記録をぎりぎりで破っての出場だったが、あれよあれよと言う間に決勝に進出し、2位と大健闘。しかし、優勝した瀬戸口渚(福岡大、現鹿児島体施協)とは同タイム。ここで優勝していたら今回、彼女が競技を続ける決意をしたかわからなかったわけである。
 そして、昨年マークした野木の自己ベストが11秒99と24秒79。日本選手権のA標準をともに0.01秒ずつ上回っていた。もしも、0.02秒ずつ遅かったら……。
 ぎりぎりのところで上のラウンドに進んだり、代表に選ばれていく選手が時折り見かけられる。競技人性の岐路で際どいところでいい方向に進み、その後の自分をその方向に合わせて変えていける選手だ。高校(川西緑台高)では12秒72がベストだった野木が、どういうステップで目標とする「リレーの日本代表入り」に迫っていくのか。

 今大会は100 m準決勝落ち、200 m欠場と不本意な結果に終わったが、11月から2月まで4カ月間、練習していなかったのが響いた(と、本人も強調)。新しい環境で6月の日本選手権、7月の日本インカレまでに、どこまで調子を上げられるのか。
 疑問形の文章が多いが、それだけ野木が未知の可能性のある選手ということだろう。


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