2002/9/29 全日本実業団2日目
朝原が10秒12の大会新、4度目の制覇
400 mは富士通が1〜3位独占
杉林は大会新で4連勝

記録はJAIC

 2日目は前日とは一転して好天に恵まれ、男子では100 mの朝原宣治(大阪ガス)と三段跳の杉林孝法(ミキハウス)の2人が大会新。ともに4回目の優勝を飾った。村上孝一(九電工)がジュニア中・長距離2冠。110 mHの谷川聡(ミズノ)、5000mの岩佐敏弘(大塚製薬)がアジア大会に向け、調子を上げているところを見せた。この日、400 mの1〜3位独占で大量得点を稼いだ富士通は、4×400 mRと800 mにも優勝。短距離を中心に男子だけで88点をゲット。男子優勝と男女総合優勝を果たした。

全種目一口メモ
<男子>
■100 m
 準決勝の終盤を流して10秒16(+2.3)をマークした朝原宣治(大阪ガス)に期待が集まった。決勝ではスタートのいい川畑伸吾(群馬綜合ガードシステム)と隣り合わせだったが、中盤までにややリードし、中盤から一気に抜け出した。2位以下とは3m以上の差をつけてフィニッシュラインに。「もしや」と思わせたが、タイマーは10秒10。正式計時は自己5番目タイの10秒12(+0.7・大会新)。全日本実業団は2年連続4回目の優勝
■400 m
 入社2年目の小林稔が46秒40で優勝。新人の邑木隆二が2位、同じく山村貴彦が3位で富士通が1〜3位独占の快挙。22点を獲得し、総合優勝に向けて大きく前進した。なお、予選は4組1着+4で行われ、小林は4組2位。その組1位で予選トップタイムを記録した奥迫政之(ミキハウス)は決勝を棄権した
■800 m
 スーパー陸上では最下位と関係者を不安にさせたアジア大会代表の笹野浩志(富士通)だが、今大会ではきっちりラストスパートを決めて優勝。タイムは1分51秒45
■5000m
 一時は独走していたガソ(コニカ)にギタヒ(日清食品)が追いつき、ラストの直線勝負となったが、ガソが13分29秒91で逃げ切って2連勝。3位争いの集団から残り500mで岩佐敏弘(大塚製薬)が抜け出した。中途半端な距離からのスパートに虚をつかれたのか(実際の理由は不明だが)一時、差が開いた。しかし、残り1周から岩水嘉孝(トヨタ自動車)が追走。岩水、瀬戸智弘(カネボウ)、徳本一善(日清食品)とラスト勝負に強い選手たちが少しずつ差を詰めるが、岩佐の脚勢も大きくは衰えず、13分41秒25で逃げ切った
■110 mH
 谷川聡(ミズノ)に好調時の特徴が戻った。速い飛び出しから、中盤でも他の選手を引き離し、終盤も減速を最低限にとどめて快勝。13秒78(+0.7)は「昨年の日本選手権以来」(谷川)という13秒7台
■4×400 mR
 富士通(千葉佳裕・山村貴彦・邑木隆二・小林稔)が2走のオープン地点では早くもトップ。西濃運輸も必死に追走したが、400 mの上位3選手を2・3・4走に配した富士通が危なげなく逃げ切った
■三段跳
 杉林孝法(ミキハウス)が5回目に16m63(+0.6)と大会新記録で優勝。福島県で教員を務める筑波大の先輩、17m15の日本記録保持者・山下訓史先生の見る中で、山下先生の持つ大会記録を更新した……のかと一瞬思ったが、大会記録は杉林自身が2年前に出した16m53だった。杉林は4連勝
■砲丸投
 32歳にして自己記録を更新し続けている大山圭吾(筑波大教)が、15m77で初優勝。円盤投優勝者の畑山茂雄(ゼンリン)が15m10で3位
■ハンマー投
 室伏広治(ミズノ)が欠場。海老原亘(三英電業)が64m32で2年ぶり2度目の優勝
■ジュニア5000m
 スローペースのため集団が崩れず、ラスト勝負を制した村上孝一(九電工)が14分26秒34でジュニア1500mと合わせて2冠

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