2002/9/15 スーパー陸上前日会見
世界記録を破られて24時間もたたないうちに
グリーンがさわやか会見
「世界記録は必ず破られるもの。それが、スポーツの進化だと思う」

Q.長旅、会見、明日のレースと過密スケジュールだが、明日のレースへどんな心境か。
グリーン また日本に招待してもらうことができ、来日できて嬉しく思う。長時間のフライトでしたが、思ったより疲れていない。明日のレースへ、心の準備はできている。
Q.機能のGPファイナルを欠場した理由は?
グリーン 今年は長いシーズンだったが、明日のため、明日一番のパフォーマンスをするためだ。期待してほしい。
Q.世界記録を破られた感想は?
グリーン もちろん驚いたが、すごく喜びもした。スポーツが一歩一歩、先に進んでいることを示したと思う。これからもいい戦いをしていくことができると思う。スポーツにとってはいいことだと思う。
Q.世界記録を破られたことが、明日以降のモチベーションとなるか。
グリーン 世界記録は自分のものだと思っていた。それを奪われたのだから、取り戻せるように頑張るので、見ていてほしい。
Q.それが明日、可能だと思うか。
グリーン やってみよう。
Q.パリのレース後、モンゴメリー選手とは何か話をしたのか。
グリーン 彼が世界記録保持者となったのだから、もちろん、おめでとうと言ったし、来年からまた、いい戦いを一緒にしていこう、と話した。
Q.来年の目標はパリの世界選手権か。
グリーン パリが一番の目標となるが、インドアももちろんやる。来年は、大きな一年となると思う。
Q.来年はビッグイヤーということだが、どこまで記録を縮められると思うか?
グリーン 私が9秒79の世界記録を持っていたとき、最終的には9秒76まで記録は縮められると言っていた。コーチのジョン・スミスは9秒6台までいけると言っているが、とりあえずは9秒76をと思っている。
Q.自分が出ないレースで世界記録が破られることは想像できたか。
グリーン そうは思わなかったが、世界記録は必ず破られるもの。破るため、破られるためにつくっているのが世界記録だ。私の記録が一生残るとは思っていなかったし、今の記録もそうだ。仮にまた私が破ったとしても、それがずっと残るわけではない。それが、スポーツの進化だと思う。
Q.パリに出ないと決めた時点で、なぜ、すぐに横浜入りしなかったのか。レースを直接見てよかったか、それとも見なかった方がよかったと思っているか。
グリーン それはIWAF(IAAF?)でやらなければいけない仕事があったからだ。レースは、目の前で見られてよかったと思っている。
Q.レース後にモンゴメリーが、「ナンバーワンはグリーンだ」とコメントしていたようだが、そのことに対する感想は?
グリーン 褒めてくれたことには、素直に感謝したい。が、事実として、世界記録を持っているのは彼であり、私は持っていない。嬉しい言葉だが、残念だが私は記録を持っていない。
Q.ソウル五輪でベン・ジョンソン(カナダ)が出した9秒79(ドーピング発覚により抹消)を上回ったことについては、どう考えるか。
グリーン グレートシング。そういうレベルに追いついた。スポーツが進化している証拠だろう。いいことだ。
Q.現在、日本には10秒00を切りそうな選手がいて、いつ切るかということで盛り上がっている。そういう状況についてどう思うか。
グリーン アジアの選手でも誰でも、可能性は大いにある。自分の目標とトレーニングをしっかりすることで、可能になると思う。

※グリーンのスペルは“GREENE”で、緑色のgreenとは1文字異なる。

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