2002/9/16 スーパー陸上ダイジェスト
男女400 mHで日本勢が健闘
吉田が56秒69の日本新で2位
為末は今大会唯一の日本人V
久保倉が学生新、土井は日本歴代3位に
先週の日本インカレ1日目に続き、雨の中で行われた。場所はサッカーワールドカップ決勝の行われた横浜国際競技場。雨ということで観客数も2万7000人と、例年に比べいまひとつ。しかし、日本選手は全般に、かなり頑張ったといえる内容だったのではないか。
男子では400 mHの為末大(大阪ガス)が優勝し、100 mの朝原宣治(大阪ガス)と200 mの末續慎吾(東海大)が2位。国際レベルに達している3選手が、それなりの力を発揮した。朝原はスタートを見せ“もしや”と観衆を沸かせた。終盤にバーナード(米)にかわされたとはいえ、10秒28で2位。雨と向かい風(−1.4)を考えると、かなりの結果だったと思う。前世界記録保持者のグリーンはまったく精彩がなく、10秒56で5位。為末はウッディ(米)との競り合いになったが、最後までしっかり走って逃げ切った。48秒69は今季日本最高記録。今大会唯一の日本人優勝となった。
男子200 mの末續慎吾(東海大)は、「ハムストリングがつりそうな状態」でやや抑えた走り。しかし、コーナーから直線にかけてきっちりと優勝争いをしての2位。先に行われた1組トップの吉野達郎と2組5位の宮崎久が21秒26の同タイム。全体の5位を分け合ったが、東海大勢が日本の上位3人を占めた。
女子では400 mHの吉田真希子(福島大TC)が56秒69の日本新で2位、ハンマー投の綾真澄(グローバリー)も65m04の好記録で2位。ともに今季日本新を2回出した選手。やはり両選手とも持ち記録では上の外国選手を破ってのものなので、“記録を出したことが強さにつながっている”といえるのではないか。
雨のため記録は全般にパッとしなかった。吉田の他の“新記録は”、女子400
mH3位の久保倉里美(福島大)が57秒72と学生新を出しただけ。しかし、男子ハンマー投で72m66と日本歴代3位に進出した土井宏昭(中京大)、1m85と昨年までの自己記録タイ(今季は1m88)を跳んだ青山幸(ワールド・ワイド・アスリート)は、雨が影響しやすいフィールド種目だけに、評価されるだろう。男子5000m4位(日本人1位)の徳本一善(日清食品)も13分39秒59と自己記録を更新した。
男子200 mの宮崎久が東海大の同学年・末續に敗れ、走幅跳の寺野伸一(日大)が日大の先輩・森長正樹に敗れ、ともに今季初の日本選手間での敗戦。だが、自身の出来が大きく悪かった結果ではないのが救いか。体調不良を押して出場した男子ハンマー投の室伏広治(ミズノ)は、3投目以降をパス。75m24で3位と、室伏としては近年では最も低い記録となってしまった。
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