2002/9/6 日本インカレ2日目
“負けるのも覚悟した”が13秒87で2連勝
レース後の内藤コメント
「今回は勝てたことでよしとします。まだ、自分の脚じゃないみたいです」

 昨秋、スタートを改善して、かなり速く出られるようになった内藤真人(法大4年)だが、この日は横一線か、やや遅れ気味だった。

「1台目でぶつけてしまってダメでした。全体的には走れましたが、もうちょっといけると思っていました。決勝前のアップではいい動きができていたので、結構走れるのではないかと。それが、前半もたもたしたせいで、タイムに結びつきませんでした」

 6月の日本選手権、7月の南部記念と欠場。8月11日のアジア選手権では14秒54(−2.9)で7位。

「アジア選手権では厳しいかなと、あきらめていました。1週間前に初めて跳んだのですが、14秒5台には凹みました。“久しぶりに出したよ”というタイムでしたから」

 アジア選手権から約1カ月で日本インカレだった。

「アジア選手権から1カ月でここまで仕上げてこられましたが、アジア選手権が50%、今が70〜80%です。インカレ前は、“負けてもいい”くらいの気持ちになっていました。(練習で)ハードルを跳んでもダメ、走ってもダメという状態で。今回は勝てたことでよしとします。負けたらプライドが……って、プライドもありませんが、法大のベンチに帰れないところでした」

 脚の状態は、どんな感じだったのだろうか。

「久しぶりの試合で、スピードに耐えられない感じです。まだ、自分の脚じゃないみたいで。4〜5月とは違う脚みたいです。シーズン前半は軽く行っててもスピードが出ていましたから。やっぱり、ケガをした前と後では違います。今シーズン中の修正は無理だと思うので、あとは気持ちよく終われればと」

 1週間後にはスーパー陸上を控えている。

「今回はスーパーへのきっかけになればいいと、考えていました。今度は自分が、外国選手についていく番。シーズンラストのレースになりますので、いい形で終えて、冬期や来季につなげたい。インカレとスーパーに無理矢理合わせたので、今の力を100%出せればと考えています。冬期は身体を作り直すっていうか、計画的にやって冬を越えて、春は計画通りの走りがしたい」

 アジアでは、劉翔(中国)が今季、13秒12とアジア新、ジュニア世界新をマークし、アジア選手権でも圧勝した。

「アジア選手権でも一緒に走りましたが、ボクから見た感じ、彼の動きはアレン・ジョンソン(米)やコリン・ジャクソン(英)ほどうまくないんです。だけど速い。190cmあっても刻むのが上手いんでしょう。見た目は遅いんですけど、実際は速いんです。同じアジア人で、年下でもあるんで負けていられないです。けど、現時点では確実に負けています。高3で中国合宿に参加して知り合いました。世界選手権とかユニバーシアードでは、一緒にアップした仲です。今年の劉は、ハムストリングも尻も、全てが大きくなっていました」

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