2002/9/7 日本インカレ2日目
池田、100 mHで今季自己最高に肉薄
走幅跳は3連勝プラス“ヒント”をゲット

 2日目の女子100 mHは池田久美子(福島大4年)がスタートからリードした。思わず、こんなにスタートがいい選手だっけ、と思ってしまったくらいだ。さらに、ハードルを越えるごとに後続を離していく。「今季最高の走りだ」と、思わず口走ってしまった。しかし、記録は13秒46(+0.2)と大会新だったものの、3位だった日本選手権のときに出した13秒43(+0.2)には0.03秒届かなかった。
 しかし、池田のコメントを聞いて、納得できた。

池田の100 mH後のコメント
「調子がよく学生記録(13秒38=池田と茂木智子が保持)も狙っていました。最近、スタートを川本先生と宮田(貴志・100 m6位)さんと練習して、すごく速くなったんです。宮田さんのアドバイスでブロックの足の、前後の間隔を短くしました。それまではブロックをセットした練習って、あまりやらなかったんです。
 先生にもイケルと言われて、スタートからガツンと行きました。9台目まですごくいい流れできていたんですが、最後で“アッ”と思うくらい浮いてしまいました。最初ガーっと行ったので、(少し持たなくなって)“もうすぐゴール、ゴール”と(焦ったのか)、空回りして上に跳んでしまったみたいで。
 この大会は、やっと調整して臨める試合でした。今季はこれまで、“疲れているから”という気持ちがどこかにあったかもしれません。今回は“早く試合がしたい、記録に結びつけたい”という気持ちになるくらい、調子が良かったんです。
 走幅跳も頑張りたいですね」

 最終日の走幅跳は6m20(+0.2)で3連勝。だが、上記のコメントにもあるように好調を自覚していた池田としては、磯貝美奈子の持つ大会記録(6m46)は更新しておきたかったのではないか。6m72の学生記録保持者でもある。ましてや、日本インカレは2年前に、シザースに変更した思い出の大会。そこから彼女の快進撃が始まった。
 しかし、今回は昔を懐かしむ大会ではなかった。さらなる飛躍を目指して、新しい跳躍に取り組んでいるのが今年の池田久美子なのだ。その跳躍を、自分のものにするキッカケとしたかったのではないか。
 ところが、優勝が決定した後の6回目の跳躍をパスした。
「5回目の踏み切りに入ったときに上手く入りすぎて、力がすごく入ったようです。腰回りの筋肉が張ってしまって、無理をするのをやめました」と川本監督。ただ、この跳躍は目指すものへのヒントとなったかもしれない。「野球で言えば、うまく振れるようになったけど、まだチップのようにかすっている状態」と、川本監督は説明する。
 池田の得意とする国際試合で、ある程度形になっていることを期待したい。

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