2002/11/2 全日本大学駅伝
山梨学大、駒大、神奈川大、中大
指揮官たちの前日コメント
「モカンバまで何秒差だったら勝てる、というのはありません」(上田監督)
「ポイントは4区。そこでどういう位置関係にいるか」(大八木助監督)


山梨学大・上田誠仁監督
「岩永が体調を崩して使えませんでしたが、飯島コーチが先ほど学生たちに話していたように“これも1つの試練。それを乗り越えられないチームじゃない”と思います。今のチームは清家、川嶋らが中心の叩き上げのチーム。松田も大牟田高だったと言っても、そんなに強い選手じゃなかった。走りでは橋ノ口や高見沢、モカンバやカリウキでしょうけど、彼らも一目置く選手たち。辛酸をなめて、苦労してここまで来た選手たちが中心です。
 レースは序盤から、どこが仕掛けてくるか、という展開になると思います。序盤は流れに遅れないように、というのは一昔前の考え。どこかが仕掛けて、抜け出せたチームが有利になります。(8区の)モカンバがいれば有利と言われますが、モカンバまで何秒差だったら勝てる、というのはありません。同じくらいで来ても、勝って来ても勝負はわかりません。
 松下(龍治・駒大)君や藤原(正和・中大)君など、どの選手もケニア選手に勝つ意識でいると思います。そういう自負が、今の学生選手にはある。この前の出雲はたまたま勝てただけ。体調の部分の問題だったと思います。明日は、目が離せない展開になるんじゃないでしょうか。
(2位が9回の大会ですが)勝たなければ、という感覚とは違います。選手たちには“勝ちをもぎ取りに行くんだ”と話しています。“スタートラインに立ったら、ライバルに負けるな”と」

駒大・大八木弘明助監督
Q.各校のメンバーを見て、勝算は?
大八木 わからないね。カリウキの出来次第かな。本当、今回はわからない。東洋が強いんじゃない。前半は行くよ。
Q.駒大のチームとしては?
大八木 田中に塩川、2年生が上手く走ってくれると面白いね。
Q.内田、島村、松下は額面通り走ってくれるという前提で?
大八木 そうそう。
Q.松村君は?
大八木 もう、間に合わないと思っていた。
Q.ポイントとなりそうな区間は?
大八木 4区(田中)かな。ここで流れをどうできるか。ここでもう1回、引き離せないと…。去年は早稲田が、ここで一気に2位に上がって上位の流れに乗ったからね。4区で、どういう位置関係にいるかだね。
Q.田中君は、1万mのタイムでいったら28分20〜30秒の力をつけている?
大八木 そこまではないけど、でも、10km通過が29分そこそこで行けるかな。
Q.勝負強さも?
大八木 けっこうありますね。カーッとは行けないけど、ネチッこく行くことはできる。1人でも後半、大崩れしないで行けますね。4区でそこそこ頑張らないと、8区でやられる可能性がある。
Q.8区で山梨学大と並んだら?
大八木 もうお手上げです。松下が、やってやる、と気持ちを入れて戦えれば面白いけど、出雲の走りを見せられたら、アンカーまでに1分20秒はないと。
Q.夏合宿のあと、上がってきている選手は?
大八木 2年生は上がってきていると思うけど、出雲では上がりきってはいなかった。
Q.出雲の後、選手たちには伊勢でどうしても勝たなければいけないと、目標の設定の仕方を変えましたか。
大八木 いえ。3番以内ですね、とりあえず。いつも3番以内。3番以内に入っておけば、箱根につなげられる。

神奈川大・大後栄治監督
「吉村は出雲の1週間後に腰痛が出てしまいました。坐骨まではいっていません。突発的なぎっくり腰みたいな感じです。吉村を4区に使えれば、そこでトップに立って、5・6・7を(堅実に)押さえて、8区・原田で勝負もできたんですが…。
(もしも優勝争いができたら)ウチとしては大誤算。(出雲区間賞の2区)下里でも、カリウキ(山梨学大)にはちょっと付いていけないでしょう。ポイントとしては2・3区ですかね。3区の清水は体も大きく、ダイナミックな走りをします。物怖じもしないし、あとは長距離への考え方ができれば、ですね。
 4・5・6・7区はつないでいくしかないでしょうね。でも、去年みたいなブレーキはないと思います。ウチは、絶対に突っ込んだ走りはしませんから。3分ペースです。
 2・3区でトップ集団にいたいですけど、狙っていったらウチは崩れます。今回は6位が目標。シード権は取らないと」

早大・遠藤司コーチ
「(1区に森村を起用したのは)前半遅れたら後手後手になってしまいます。森村自身、どちらかというとスピード系だし、速い展開で競わせた方が力を出せると判断しました。
(2区の空山は)あえて、レベルの高い区間で勝負をしてほしい、という気持ちがあります。
(8区・後藤に去年<区間13位>のような疲れは?)ないですね。出雲が終わって少し疲れもありましたが、そこから盛り上げてきています。流れ的にはいいかなと思います。
(4区・五十嵐は出雲がよかったが)出雲というより、夏合宿とそれ以降のトレーニングができています。話をしていても、自信を持ってきているのがわかります。そういう部分を多少、判断しました。本人も、10kmより長い方がいいようです。調子も悪くありません。
(1・2区でトップを走ることもあるのでは?)それを、線香花火で終わらせるのでなく、中盤でも持ちこたえられるかどうか、です。
(目標は)みんながそれなりの力を出し切ること。6位でも何位でも、へっこんだ区間がなく、力を出し切れば成功です。いくら上位に入っても、へっこみがあったらダメなんです」


寺田的陸上競技WEBトップ