2002/10/8 アジア大会
2日目ダイジェスト
室伏2連覇、男子ハンマー投は金銀独占
吉田が自己の日本記録を0.01秒更新
朝原は自身“失望”の銀、福士は自身“嬉しい”銀というより30分台

 気持ち肌寒かったが、まずまずのコンディションに恵まれた大会2日目。日本の有望種目が次々に行われた。
 朝の9:30からと早い時間に行われた男子ハンマー投は、室伏広治(ミズノ)が78m72の大会新で2連勝。今大会陸上競技初の金メダルを獲得した。土井宏昭(中京大)が69m57で続き金銀独占。幸先のいいスタートを切った日本勢だったが、男子400 mHの為末大(大阪ガス)はソマイリー(サウジアラビア)、アル・ヌビ(カタール)に届かず49秒29で3位。前半からぶっ飛ばすのが為末の持ち味だが、同じ前半型のソマイリーに序盤からリードされる展開。世界選手権の銅メダリストがアジア大会でも同メダル。この種目のアジアのレベルの高さを物語っていた。吉沢賢(デサントTC)はいいところなく50秒88の6位。
 男子400 mHは苦戦が予想されていたが、男子100 mは朝原宣治(大阪ガス)の優勢が予想されていた。ところが、序盤から一度もリードするシーンはなく、アルサッファリ(サウジアラビア)との30歳対決に敗れて2位。10秒24(+0.3)と10秒29だった。
 女子1万mは中国選手権に31分09秒34で優勝している孫迎傑がいて、福士加代子(ワコール)といえども楽には勝てないと思われていたが、孫の強さは別格だった。6000mからのスパートで一気に福士を引き離し30分28秒26で圧勝。世界記録保持者の王軍霞の持つ大会記録を22秒も更新した。福士は30分51秒81の日本歴代2位。5月に30分48秒89を出した渋井陽子(三井住友海上)に続き、日本選手2人目の31分突破選手となり、「1周74秒で押していく」というレース前の目標をクリアした。朝原とは対照的に、レース後も笑顔の連続だった。小鳥田貴子(デオデオ)も31分台と自己記録に迫る走り(4位)。
 男子棒高跳は安田覚が5m40で銀メダル。優勝したイェゴロフ(カザフスタン)とは同記録という惜しい結果だった。小林史明(日体大AC)が5m20で3位。記録的には今ひとつだが、銀銅を占めたのは評価できる。が、5m30の時点では安田の方が早い回で跳んでいただけに、きっちり勝ちたかったところだ。

 今大会初の日本新記録は吉田真希子(福島大TC)だった。一発決勝で行われた女子400 mHで、56秒68と自身が9月のスーパー陸上で出した記録を0.01秒更新した。優勝したトルシナ(カザフスタン)とは0.55秒差と、アジアでのポジションが確実に上がっていることを感じさせる走りだった。トルシナと吉田の間に中国選手2人がいたが、3番目にフィニッシュした3レーンの選手が、10台目を越えた後2レーンに入ってしまったという理由でいったんは失格。吉田が3位に繰り上がったが、中国の抗議が認められ、吉田は4位に。「メダルという形になったことで、お世話になった人たちに報告できるのが嬉しい」と話していただけに、気の毒な結末となった。
 その他の決勝種目は、男子砲丸投では畑瀬聡(日大)が16m79で7位、女子800 mは松島朋子(UFJ銀行)が2分05秒30で5位、杉森美保(京セラ)は6位、七種競技の中田有紀(サカツコーポレーション)は5549点で5位。力を発揮したとは言えない結果だった。
 予選・準決勝の行われた種目では、男子400 mの田端健児(ミズノ)、奥迫政之(ミキハウス)両選手が予選を通過。800 mの笹野浩志(富士通)は1分49秒51と、自己記録とそう変わらない記録を出したが、歯が立たなかった。110 mHの谷川聡(ミズノ)は予選2組を3位で通過。
 残念だったのは女子100 m。坂上香織(ミキハウス)、新井初佳(ピップフジモト)とも予選を通過できなかった。400 mは木田真有(福島大)がプラスの2人目で決勝に進出。柿沼和恵(ミズノ)は前半こそ意欲的な走り見せたが、終盤失速して予選落ち(55秒35)。


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