2001/4/22
ロンドン・マラソン特集
レース後の一問一答
弘山晴美&勉コーチ編

Q.レース展開はどうでしたか?
弘山 最初の5〜10kmは先頭集団につけていたんですが、10〜15kmで集団の後ろの方で、前についていけない感じになってしまい、15kmを過ぎて少しずつ離れてしまいました。ハーフを過ぎて第2集団が来て、その集団からも少しずつ離され、ほとんど1人で走っている状態でした。ロルーペ(と集団)が追いついてきたときは、勢いがすごくて、先頭集団に追いつくと思いました。
Q.走り始めてみて、体調はどうでしたか?
弘山 今日は、調子としてはきついなと思いました。どこかで楽になるかなと思って走っていました。1回、10kmを過ぎて楽になり、リズムをつかめるかなとも感じましたが、そこで離されてしまい、そのあとは苦しくなる一方でした。
Q.この結果となった原因は?
勉コーチ 一番の原因は、(4月6日から)10日間まったく、練習できなかったことです。一時は出場できるかどうか、危うい状態でした。疲労からバランスが崩れたのがその原因でしたが、すぐに治るかと思いましたが時間がかかってしまい、調整に影響が出てしまいました。強化練習はすべて終えたあとだったので、それほど気にしなかったのですが…。とにかく、今回は早く走り終えたかったです。自分としては、ロンドンが終わってからマラソン・ランナー弘山晴美がスタートすると。今回はゴールしてくれればいいと。でも内心は、力のある選手なので、期待もしていたんですけど。
Q.コーチとして、どんな分析をしていますか?
勉コーチ ここまで悪いとは思いませんでした。はっきり言って、コーチとしての自分の計画ミスだったと思います。日本で走り込みをして、最後の部分を高地でやってみようと考えたのですが、一番疲労が出てくる時期の高地練習で、身体のケアがうまくできませんでした。終わってみれば、計画ミスだったかなと思います。
Q.途中でリタイアすることも…?
弘山 ハーフを過ぎてからすごくきつくて、2時間40分くらいかかるんじゃないかなと。でも、ロンドンを走ることを目指してトレーニングをしてきたので、きちんとレースをしたかった。
Q.練習の中断があったとはいえ、遅れるのが早かったと思いますが、どんな状態だったのですか?
弘山 いっぱいいっぱいというよりも、リズムに乗れない感じでした。
Q.次に向けての教訓は?
弘山 悔いはありません。集団から離されて、第二集団にも抜かれ、それが今の私の力だと思います。外国選手と一緒に走る力が、まだそこまでなかったということだと思います。
Q.ロンドンの印象は?
弘山 世界一と言われるだけの大会です。コースは思ったよりタフで、選手たちも勝負へすごく集中していた。私は少し、甘く考えすぎていたかもしれません。海外の選手は試合慣れというか、ロードレースに慣れているな、と思いました。
勉コーチ “意識が足りなかった”と言いましたが、自信を持たせてスタートラインに立たせられなかったことが、大きかったと思います。“私はこういう勝負をしたい”とイメージして集中するべきときに、ケガでそれができず、1週間前になんとか間に合わせた状態でしたから。気持ちで走る選手ですから、その辺で自信を持たせたかった。
Q.1年3カ月ぶりのマラソンという点では?
弘山 あまり意識はしませんでした。それよりも、マラソンもヨーロッパで行われるグランプリ(トラック)も、全部回っている選手がいる。それでいてキチッと走るんですから、そういった選手に出会うと、日本人とは違うなって思います。
Q.ゴールしたときの正直な気持ちは?
弘山 30分かからなかったー、と。ロンドン・アイ(大観覧車)が見えるまではどうなるかと思いましたが、あきらめる気はありませんでした。
Q.次は?
弘山 またどこか、マラソンを走ります。どこかは決めていませんが。
Q.海外ですか?
勉コーチ 春から夏にかけてトラックをやって、夏以降にどんな練習に入っていけるかで、次を決めたい。きちんと身体を作って、次こそは力強い走りを、彼女らしい走りを見せたいと思います。
Q.早ければ、この秋にも?
勉コーチ いろんなことを考慮に入れてやっていきます。