スポーツ・ヤァ!028号 INSIDE REPORT
スーパー陸上2001ヨコハマ 男子ハンマー投 室伏広治
世界の室伏 シドニー覇者にリベンジ


「危ないっっ!」
 スタンドから走幅跳のピットに向かって大声が飛んだ。重さ7`強のハンマーが、9レーンあるトラックを猛スピードで横切って砂場に飛び込んできた。幸い、トラックでレースは行われていなかった。選手にも審判員にも当たらずにすんだが、運が悪ければケガ人が出るところだったのだ。
 意外だったのは、投てきの主が先の世界選手権銀メダリストの室伏広治だったことだ――今日は苦戦するかな、との思いが脳裏をよぎる。アクシデントは練習投てきの飛距離が80b前後あったことはもちろん、角度40度の扇形の投てき範囲の左側に外れていたから起こったのだ。
 昨年のシドニー五輪がそうだった。1投目に左側に外れるファウルを犯し、その技術的な狂いを修正できなかったことが、予選落ちに終わった一因だった。その矯正を冬期練習で徹底的に行い、その結果、力の集約する方向が安定することで飛距離も伸びるようになった。それが、今季の室伏の好調の要因だ。
「練習でファウルをしたのは、サークルに問題があったから。かなりザラザラして、ターンをするのに苦労しました。去年(今回と同じ横浜国際競技場で行われ、日本新で優勝)とは違っていましたね」
 イヤな予感が当たった。

続きはスポーツ・ヤァ!028号(9月27日発売)でご覧ください。