INSIDE REPORT
北海道マラソン・
千葉真子
不世出の25歳が名伯楽・小出によって再生
 世界レベルのスピードランナーが、マラソンランナーに変身できるかどうか。北海道マラソンはその試金石だった。
「チバ、頑張れっ」「チバちゃーーん」
 声援が途切れることなく自分に送られてくるのに対し、千葉真子は2つの理由から「あれっ?」と思った。
 まず、大きな大会で2年近くのブランクがある自分が、そこまで注目されているとは思ってもみなかった。
「応援も私が一番だったかな」
 以前と変わらない甲高い声、しかし以前にもまして屈託のない笑顔で話す。
 もう一つ理由は、「沿道からの声援が聞き取れたのは初めて」だったからだ。それだけ余裕があった。97年世界選手権1万m銅メダルと、トラックで世界に通用するスピードを持つ千葉にとって、30`までのペースは“牛歩”のように感じられた。
「トラックでは積極的に飛ばすのがモットーでしたが、マラソンでは作戦も必要かなって考えました。練習でも、遅いペースで我慢するトレーニングをしてきました」
 高校時代の恩師で、立命館宇治高を昨年の全国高校駅伝優勝に導いた荻野由信氏は、フォームの変化を指摘する。

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