陸上競技マガジン2002年9月号
女子5000m14分55秒21の日本新
福士加代子
日本女子初の14分台突入!

 舞台となったのはベルギーのヘクテル。4年前に高岡寿成(カネボウ)が男子5000mの日本記録を、昨年は福士加代子(ワコール)自身が15分10秒23のジュニア日本記録(日本歴代3位)を出した、日本長距離界にとってはゲンのいい場所だった。
「去年のイメージが残っていて、アップでもすごく動きがよかったんです。男子の1万mを見ていたら音楽がかかっていて、すごく雰囲気がいい。スタンドはホームストレートだけですが、お客さんもいっぱい入っていて、延岡のゴールデンゲームズみたいに盛り上がっていました」
 しかし、アップが終わったあたりで雨が降り始めた。それも、雷を伴う大雨。そのため、20分もスタート時間が遅くなってしまった。歴史的なレースは、雨の中で始まった。
 1000mはラビット2選手の後ろにオサリバン(アイルランド)、福士、レグザウイ(モロッコ)の順。復調途上のオサリバンのためのラビットだったが、どうやら完全復調には遠かった。
「1000mを過ぎてペースが上がったとき、オサリバンさんが離れたんです。一瞬、“だったら私も”って、何を血迷ったのか下がりそうになって…。雨も降っていたし、“しゃあないなあ”って、自分で逃げ道を作って……

※この続きは8月12日発売の陸上競技マガジン9月号でご覧ください。