エドモントン世界選手権
男女マラソン早期展望企画


過去のメダルは男子が2大会、女子は4大会
「今回こだわるのはレース内容。常に先頭集団で勝負を意識して走って、最低でもセビリアの6位を上回りたい」(藤田)
「タイムは関係ないので、少しでも上の順位でゴールしたい。今は完走することしか考えていません」(高橋)
「狙うのは(土佐先輩との)ワンツーですが、勝つのは私です。でも、練習で自信をつけてからでないと、なんとも言えません」(渋井)
「メダルに届けばいいんですが、まずはベストの状態でスタートラインに立つのが目標です」(土佐)
 世界選手権に対する目標の設定の仕方は、十人十色。このように言葉にした場合でも、選手は“戦略”や、“自分にとっては当たり前”の大前提を、あえて口にしていないケースもある。字面通りに受け取っていいケースと、そうでないケースがあるのだ。
 過去の世界選手権における日本選手の成績(表1)を見ると、男子は2回、メダルを取っている。91年東京大会優勝の谷口浩美と、前回99年セビリア大会3位の佐藤信之で、ともに旭化成の選手。
 だからといって、エドモントンで旭化成以外の選手がメダルを取れない理由にはならない。この冬の日本男子マラソン界の盛況は、これまで旭化成1チームに頼ってきた状況を脱し、多くのチームの選手が活躍したことで実現したからだ。ただし、森下由輝(旭化成)が“相性のいい大会”と思うことはできる。
 一方の女子は、95年のイエテボリ大会を除けば、90年以降の4大会全てでメダルを取っている。特に、オリンピック翌年の2大会は金メダルだ。オリンピックでも、3大会連続メダルを獲得しているし、アテネ大会からW杯マラソンとして行われている国別対抗戦でも、女子は2回連続優勝している。女子選手の方が、メダルを身近な目標として意識していることが、冒頭の4選手のコメントからもうかがえる。
エドモントンにも“坂”、シドニー五輪と酷似した難コース
 実際、日本の10選手をエドモントンで待ち受けるのは、どんなコースだろうか。


続きは陸上競技マガジン5月号でご覧ください。特別に高橋健一&藤田敦史の写真を掲載