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          【1月25日〜2月9日の“MIP”】
  もちろん山崎勇喜、世界選手権A標準突破第一号、それに高校生…
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 MIPはMost Impressive Performanceの略、日本語に訳せば「最も印象に残ったパフォーマンス」。ただし、ここでは客観性よりも、ライター寺田が見た主観的な判断で選んでいます。今回は1月27日、日本選手権20km競歩で誕生した山崎勇喜(富山商高)の1時間20分43秒を選びました。自己の高校最高記録を大幅に(5分以上)更新しただけでなく、世界選手権7位入賞者の柳沢哲(綜合警備保障)に勝っただけでなく、来年のパリ世界選手権A標準突破第一号となったのです。

 日本選手権20km競歩は毎年、大阪国際女子マラソンと同じ日に、場所的にも大阪のすぐ近くの神戸で行われる。しかし、世間の注目度には雲泥の差があり、競歩関係者を“いつの日か”という気持ちにさせてきた。そんな競歩関係者が山崎勇喜の快挙によって、溜飲を下げた(と思う)。
 男子20kmWのスタート時間は午前9時30分。9時00分にスタートした女子20kmWの優勝者、照井貴子(サニーマート)が1時間32分54秒の優勝タイムだから、先にフィニッシュしたことになる。今年1月1日から有効期間に入った来年のパリ世界選手権標準記録突破第一号となったが、残念ながらB標準で希少価値は低い。
 その点、正確にスタートしていれば午前10時50分43秒にフィニッシュした山崎は、テレビ中継という制約があるためスタート時間が正午前後と決まっている大阪国際女子マラソンに先んじて、A標準(1時間21分20秒)を突破したのである。
 かつて、高校生がA標準を突破したことはあっただろうか。99年セビリア大会には、男子1500mでB標準突破の佐藤清治(順大。当時佐久長聖高)と、女子5000mでA標準突破の藤永佳子(筑波大、当時諫早高)が出場しているから、初めてではない。しかし、A標準突破第一号となると、もしかしたら史上初めてかもしれない(さすがに調べ切れない)。

 まあ、A標準突破“第一号”という点は多分に偶然性に左右されるが、山崎の力が世界的であることは、同種目の世界選手権7位入賞者、柳沢哲(綜合警備保障)を14秒差で破ったことから明らかだ。どんなレースだったのか、柳沢に電話で話を聞いた。
「どちらかというと僕が離そうと(ペースを)上げたのですが付いて来られて、我慢比べになったんですが、僕が我慢できなくなってしまいました。離されたのはラスト500mを切ったあたりだと思います。
 今年はアジア大会にピークを……

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