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【次回イベント情報】 全国女子駅伝 本命・京都の唯一の不安
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※メルマガバージョン25号(1月12日配信)掲載記事

 1月13日に行われる全国都道府県対抗女子駅伝。優勝候補の筆頭は、地元・京都ということで衆目の見るところは一致している。

 京都のメンバーを見ると、まず実業団勢の充実がすごい。
・福士加代子(ワコール):10kmまでなら現在国内最強
・小崎まり(ノーリツ):エドモントン世界選手権1万m代表
・田村育子(グローバリー):1500m日本選手間で無敵
*敗れたのは関西実業団のみ
・原 裕美子(京セラ):宮崎女子ロード・ハーフ3位
 京都に拠点のある強力実業団3チームから1人ずつ選手を出してもらい、なおかつ、宇治高出身の小崎まりをふるさと選手として招聘した。

 京都のすごさは実業団選手だけではない。インターハイ1500m&国体3000m優勝者の池田恵美を筆頭に、2000年の全国高校駅伝優勝校の立命館宇治高勢が高校生勢力としてデンと構えている。まさに、これで負けたらおかしい、とも言える戦力なのである。

 唯一の不安点は、立命館宇治高が暮れの全国高校駅伝で8位と、(同校の力からすると)大敗していることだ。1区のエース池田が区間20位と出遅れたことが響いた。そこで負けたことで逆に、この大会に向けてモチベーションが上がるのではないか、という見方もあろう。だが、データ的には違うのである。
 下の表は、過去4年間の全国女子駅伝優勝チームと、全国高校駅伝上位3チームを一覧にしたものである。

年度 都道府県優勝 高校駅伝1位 高校駅伝2位 高校駅伝3位
2001年度 諫早・長崎 筑紫女・福岡 神村学園・鹿児島
2000年度 兵庫 立命館宇治・京都 須磨学園・兵庫 諫早・長崎
1999年度 長崎 筑紫女・福岡 須磨学園・兵庫 諫早・長崎
1998年度 福岡 田村・福島 熊本市商・熊本 諫早・長崎
1997年度 埼玉 埼玉栄・埼玉 西京・山口 立命館宇治・京都


 全国高校駅伝優勝チームを擁する都道府県が勝ったのは97年度の埼玉だけだが、98年の福岡優勝時を除けば、全て優勝都道府県の高校チームは3位以内に入っている。98年の筑紫女でさえ6位だった。
 つまり、高校駅伝8位の高校の都道府県が、全国女子駅伝で優勝したことはここ数年、皆無なのである。

 ここまで書いてきてデータをよく調べたら、重要なことに気づいた。全国高校駅伝の女子が始まった89年以降、高校駅伝8位以下の都道府県が優勝したことが2回だけある。92年度の大阪と、95年度の京都である。95年度は、立命館宇治の前身である宇治が17位。京都と立命館宇治の組み合わせは過去、そういったハンディをはねのけた実績があるわけである。
 さらにもう1つの例、92年度の大阪は実業団のダイハツ(藤村信子&浅利純子)、三田工業(大国美喜子)が充実し、今回の京都と似ていなくもない。

 ということで、やっぱり勝つのは京都だろう。
 対抗できそうな可能性のあるのは栃木、愛知、三重、大阪、兵庫、長崎、熊本あたり。
 栃木は渋井陽子(三井住友海上)に赤羽有紀子(城西大)の2本柱が強力。愛知には前回兵庫から出場した川嶋姉妹(東海銀行)と加藤あすか(名城大)。三重は永山育美を筆頭にデンソー勢で固められている。大阪は橋本康子と岩本靖代の日本生命コンビを投入。長崎は高校駅伝優勝の諫早高勢に、同校OBの藤永佳子(筑波大)。熊本は1万m日本記録保持者の川上優子(沖電気宮崎)に藤川亜希(ラララ)。
 でも、やっぱり京都だろうな。