陸上競技マガジン2013年4月号
特別企画 惜別陸上人

為末大
“早熟型”選手がメダリストに
 トラック&フィールドでも、引退した元代表選手が多かった。その代表が為末大(CHASKI)。01年と05年の世界選手権銅メダリストが、日本選手権予選の1台目にリード脚をぶつけて転倒し、「ひとことで言えば気が済んだ」と、潔く身を引いた。
 典型的な“早熟型”選手だった。
中略
 高校卒業後に自己新を出したのは、2000年と01年の2シーズンだけ。そのことを引退後の取材中に話題にしたことがあった。
「でも、世間ではもう少し伸び続けた印象を持っているみたいなんです」と笑っていた。その後に、さりげなく付け加えた。「2006年にハードルをやっていたら、自己新は出せたと思いますけどね」
 07年の大阪世界選手権と
中略

佐藤真有
 第1回世界ユース選手権(1999年)に16歳で出場した佐藤真有(東邦銀行)が、30歳を迎えた2012年シーズンで引退した。08年北京五輪で、女子4×400 mRがオリンピック初出場したときのメンバーとなった。
 日本選手権は福島大の先輩の吉田真希子、後輩の千葉麻美に挟まれてずっと勝てなかったが、昨年初優勝。しかし、そこでロンドン五輪標準記録を切ることができずに代表入りを逃し、「陸上人生の締めくくりを迎えようと思いました」(佐藤)
 12年間指導をした川本和久監督の言葉を紹介するのが、佐藤の引退を語るのに最もふさわしい。
「木田(佐藤の旧姓)は私が最初に
中略
吉田が切り開いたものを次につなげたのが彼女です。木田がいなかったら同学年の久保倉(里美)の成長もなかった。丹野(千葉)も青木もいなかったと思いますよ。心残りは52秒台が出せなかったこと。震災がなかったら出せていた手応えがありました。でも、それも運命でしょう。
後略
※この前後は陸上競技マガジン2013年4月号でご覧ください。 尾崎好美選手と大崎悟史選手についても書かせていただきました


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