陸上競技マガジン2013年3月号
大阪国際女子マラソン
渡邊裕子
マイペースが功を奏し、成長著しい若手が世界選手権へ名乗り

●ガメラシュミルコと並走
 渡邊裕子(エディオン)の特徴が現れたシーンがあった。8人(ペースメーカーが3人)の先頭集団からガメラシュミルコ(ウクライナ)と2人、14km手前で少しずつ後れ始めたのだ。
「ペースが1km毎に上下動することもあるので、そこで体力を消耗しないように注意しました。昨年も安定した走りをしていたガメラシュミルコさんと一緒に走ることにしたんです」
中略
 高校時代は無名だった25歳が、世界選手権代表候補に名を連ねた。
●初マラソンでも優勝選手と並走
 渡邊は初マラソンだった昨年3月の名古屋でも、優勝したマヨロワ(ロシア)と中盤では一緒に走っていた。
中略
 それに対して渡邊は後半に1時間16分20秒を要し、2時間29分20秒で13位に。「きつくてきつくて、二度とやるもんかと思った」
 それに比べて大阪では、渡邊の成長が現れていた。
●川越監督門下選手の特徴
 2011年からエディオンを指導する川越監督は、2006年に資生堂を全日本実業団対抗女子駅伝に優勝に導いた指導者。翌2007年にセカンドウィンドACを立ち上げ、資生堂時代から継続して指導した嶋原清子と加納由理(現資生堂)を、世界選手権入賞者に育てた。
 トレーニングの特徴は、無理をせずに継続すること。マラソン練習の定番メニューである40km走も、負荷が大きすぎるという理由で行わない。渡邊もそのトレーニングで強くなった。
中略
●嶋原を超える選手に
 その嶋原を「尊敬する選手」として渡邊は名前を挙げた。2011年にアルバカーキ合宿などで嶋原の練習に必死で食らいつき、その生活ぶりにも接して目標とするようになった。

後略

※この前後は陸上競技マガジン2013年3月号でご覧ください。


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