陸上競技マガジン2013年3月号
大阪国際女子マラソン
渋井陽子&野口みずき
一時代を築き上げた同学年コンビ “ベテラン去らず”の心意気

 2時間19分台を持つ同学年コンビが、大阪で結果を残すことができなかった。前日本記録保持者の渋井陽子(三井住友海上)は2時間32分41秒で8位。日本記録保持者の野口みずき(シスメックス)は、大会2日前に欠場を発表した。

中略

 女子長距離・マラソンに一時代を築いた2人もすでに34歳(渋井は3月の誕生日で)。マラソンの自己記録を出したのは渋井が2004年で野口が2005年。2人とも以前と同じレベルの練習ができなくなっているのが現実だ。
 引退という言葉が記者たちとの話の中で出るようにもなっている2人は、現在どのような練習をして、何を目指そうとしているのか。

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 野口は昨年10月の実業団女子駅伝西日本の際に、次のように話していた。
「名古屋(2時間25分33秒で6位)はヒザの不安も抱えていた状態でした。それを自分らしくレースも強気で、練習も強気でできるようにしたい。練習では動けないところで、どう踏ん張って動くかを考えてやっています」
 コメントの後半からは、渋井と同じように効率的な“動き”を意識していることがわかる。だが、コメント前半部分からは、少しでも以前の練習に近づけたい、という意思が感じられる。
 しかし“強気の練習”をいきなり行うのは、金メダリストでも不可能だ。野口もそこは自覚している。「今は練習もレースも、以前のように続けてできなくなっていますが、それを続けられるようにするのが課題です」
 ただ、「2時間24分ならそれほど難しくない」(廣瀬永和監督)と野口陣営は判断。世界選手権選考レースに出場する予定で練習を進めている。
※この前後は陸上競技マガジン2013年3月号でご覧ください。


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