陸上競技マガジン2013年1月号
福岡国際マラソン
堀端宏行
モスクワへ一歩前進
40km走の“走り方”の変遷

 長距離関係者の間で堀端宏行(旭化成)の評価が高いのは、“練習ができる選手”だからだ。練習イコール試合ではないが、旭化成という伝統チームの利点で、これまで結果を残してきた先輩たちとの比較がしやすい。
 堀端も福岡のレース後に「日本人トップを取ることには自信がありました。練習の距離走はしっかりとできましたし、そこは(宗猛)監督も信頼してくれています」と話している。
 宗監督は堀端の練習を「ポイントを抑えるタイプ」と特徴づける。月間距離で1200kmとかを走り込んで自信をつけるのでなく、「普通なら850〜950km」(同監督)。その分、人よりもポイント練習の質を高くする。
 その代表的なメニューが40km走だ。福岡に向けては9月中旬以降で7本。ほとんどを2時間10〜11分台で行なった。7本のうちの1本が42km走。そのときの40km通過は2時間08分00秒で「一番速かった」という。
 旭化成の先輩である佐藤信之(現ユタカ技研コーチ兼スカウト)が99年世界選手権で銅メダルを取ったときは、季節の違いもあるが、「2時間10分は1本くらいにとどめ、あとは2時間15〜20分くらい」だった。
 日本記録保持者の高岡寿成(カネボウ。現カネボウコーチ)も、「本番に近いペースは1回だけ」で、残りは2時間20分前後で行っていた。

 堀端のマラソン歴は今回で7回目(表参照)。
回数 月日 大会 成績 記 録
1 2008 2.17 東京 9 2.11.47.
2 2009 3.22 東京 22 2.18.27.
3 2010 8.29 北海道 20 2.26.55.
4 2011 3.06 びわ湖 3 2.09.25.
5 2011 9.04 世界選手権 テグ 7 2.11.52.
6 2012 3.04 びわ湖 11 2.10.05.
7 2012 12.02 福岡国際 2 2.08.24.
「テグの前では初マラソの時が一番良い練習ができた」という。「平均で2時間15〜16分、最後の1本は2時間8分くらいでした」
 2時間11分47秒は好走といえたが、翌09年の東京は2時間18分27秒。「マラソン練習期間中に体調を
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