2002/6/22 日本学生種目別選手権
アウトライン&主要選手コメント その1
土井が室伏の大会記録を更新!!
内田&村川は自己新V
女子は東北勢が席巻!


 第13回日本学生種目別選手権が6月22日、神奈川県小田原市の城山陸上競技場で開催された。ユニバーシアードのある奇数年は2日間で行われる大会だが、今年は1日で全種目が行われる(といっても、長距離種目など多少は間引かれている)。投てき最初の決勝種目である男子ハンマー投で、土井宏昭(中京大4年)が71m72と室伏広治の大会記録を破り、まずまずの盛り上がりで幕が開いた。

土井宏昭「すんごく嬉しかったですね。達成感に満ちあふれています。今年、(71m99と)記録が伸びた時点で、室伏さんが学生の時に出した大会記録を、1つ1つ破っていきたいと思いました。東海インカレでも大会記録は上回りましたが、オープン参加(土井は学生6年目)だったのでダメで、西日本インカレの大会記録は(73m82の)学生記録で届きませんでした。日本インカレでは学生記録を狙っていきます」

 トラックの決勝種目は、女子5000mと男子3000mSCがまず行われた。この時期にしては涼しく、長距離種目には恵まれたコンディション。女子5000mは1年生の宮崎奈賀子(日体大1年)が15分台に迫る好タイム、男子3000mSCは春田真臣(順大4年)が自己2番目の8分45秒99で制した。
 土井の大会新で活気づくかと思われたが、その後の種目はやや、記録的に低調さが続いた。そんな状況でも、そこは全国大会。そのチャンスをきっちり生かしてくる選手が現れ始めた。男子走幅跳で内田玄希(日大4年)が7m61と、自己記録を4年ぶりに更新したのだ。

内田玄希「嬉しいんですけど、7m70以上を跳びたかった。陸上競技で就職を考えていますから。7m56の自己記録は高3と大2時に跳んでいます。今年、東海戦(日大・東海大対校)と関東インカレで7m52を跳んでいます。100 mはレースに出ていないのでわかりませんが、練習中の30mダッシュでは明らかにスピードがついています」

 その後も、自己記録を更新して優勝する選手が続いて出始めた。
 男子1500mの後藤良徳(大阪教育大3年)が3分48秒98、800 mの松原拓次(立命大4年)が1分49秒91と、関西の中距離コンビが初の大台突破。そして、男子砲丸投では村川洋平(筑波大3年)が17m09と学生歴代8位。自己記録を7cm更新して日本選手権優勝の畑瀬聡(日大2年)に雪辱した。

村川洋平「あんまり感触はよくなかったんです。グライドのスピードがなく、ダメだと思いました。(それでも記録が出たのは)手首のスナップがよかったからだと先輩からは言われましたが、自分では投げるまで上手く指に引っかかっていたからだと思います。調子がよければそれにグライドのスピードが加わりますから、記録はまだ伸ばせると思います」

 同じ筑波大では、棒高跳の井村俊雄(筑波大2年)が5m30の自己タイで優勝。高3時の2000年から3年連続で5m30に成功したことになる。この高さが安定すれば、5m40は時間の問題だろう。

 女子では関東以外の大学の選手が活躍した。女子14種目中、関東勢が制したのは僅かに4種目。正確に統計をとったわけではないが、史上最少だったかもしれない。その中でも活躍が目立ったのは東北勢。草薙絵梨子(仙台大4年)が100 mと200 m、池田久美子(福島大4年)が100 mHと走幅跳の2冠を取ったほか、400 mはアジア大会代表の木田真有(福島大2年)、400 mHは久保倉里美(福島大2年)が優勝し、都合6種目を東北勢が制した。

木田真有「(アジア大会代表に決まって初レースということは)特に考えませんでした。前半を抑えないで行って、いつもはラストで振れてしまう肩を振らないでしっかり走ることがレース前の狙いでした。(日本選手権の54秒01に迫るタイムで)これぐらいでは走れる力がついたかな、と確認できました。300mまではみんなと一緒でそこから抜け出せたので、もうちょっと上手く走れたのかもしれません」
池田久美子「同じ日でハードルがこれだけ走れるということは、スピードが確実についているのに走幅跳に結びついていない、ということだと思います。走力が付くと、踏み切りに入るリズムも速くしないとダメなんです。そこが噛み合えば跳べると思います。昨年は世界選手権があって、それに出るために日本選手権で頑張る必要があり、走りと跳躍を半々で練習しましたが、今年はレベルアップをするために走りばかりやっています」

その2に続く(はず)