2001/12/23 全国高校駅伝
仙台育英が高校歴代2位
2時間7分未満14校、6分未満6校

男子は過去最高レベルだった……のか!?



 全国高校駅伝(12月23日:京都西京極陸上競技場発着男子7区間42.195km、女子5区間21.0975km)は男子が仙台育英の2年ぶり3回目の優勝(2時間03分46秒)、女子は諫早の初優勝(1時間08分10秒)という結果で幕を閉じた。

 目を引いたのが、男子の記録が全体的によかったことだ。
 仙台育英の優勝記録はパフォーマンス歴代4位だが、西脇工以外では初の2時間3分台。つまり、トラックのリレーと同様に言うならば高校歴代2位なのである。
 さらに、2時間5分を3チームが切り、2時間6分未満で6チーム、2時間7分未満で14チームと、後続もすごいタイムで次々にフィニッシュ。「これは過去最高レベルだ」と、即座に感じた。
 ところが……違った。下記の表をご覧いただきたい。
2001年全国高校駅伝の記録帯別校数
参加校数 〜9分59秒 〜8分59秒 〜7分59秒 〜6分59秒 〜5分59秒 〜4分59秒 〜3分59秒 優勝校 優勝記録 2位校 2位記録 1,2位差
2001年 37 27 19 14 6 3 1 仙台育英 2.03.46. 九州学院 2.04.01. 0.15.
2000年 27 22 12 7 2 2 大牟田 2.04.48. 仙台育英 2.04.49. 0.01.
58校 1999年 33 22 17 8 3 仙台育英 2.05.04. 西脇工 2.05.06. 0.02.
1998年 21 16 9 7 2 1 1 西脇工 2.03.32. 大牟田 2.05.24. 1.52.
1997年 26 20 14 10 6 4 1 西脇工 2.03.18. 大牟田 2.04.35. 1.17.
1996年 20 14 10 3 1 報徳 2.05.08. 大牟田 2.06.50. 1.42.
1995年 25 12 4 3 1 西脇工 2.05.20. 田村 2.06.52. 1.32.
58校 1994年 26 19 8 5 2 2 1 西脇工 2.03.21. 仙台育英 2.04.51. 1.30.
1993年 18 9 8 3 1 仙台育英 2.05.25. 浜松商 2.06.37. 1.12.
1992年 25 10 5 3 2 西脇工 2.05.12. 由良育英 2.05.33. 0.21.
1991年 15 9 4 1 大牟田 2.06.47. 市船橋 2.07.01. 0.14.
1990年 15 13 7 4 1 西脇工 2.05.44. 大牟田 2.06.48. 1.04.
58校 1989年 21 11 7 5 3 2 報徳 2.04.49. 西脇工 2.04.50. 0.01.

 西脇工が2時間03分18秒の高校最高記録を出した97年のレースで2時間5分を、今回の3チームを上回る4チームが切っているのだ。2時間6分未満も今回と同じ6チーム。
 その6チームの記録は以下の通り。

97年と2001年上位6チーム比較
2001年 1997年
2時間03分46秒 仙台育英 宮城 1位 2時間03分18秒 西脇工 兵庫
2時間04分01秒 九州学院 熊本 2位 2時間04分35秒 大牟田 福岡
2時間04分57秒 西脇工 兵庫 3位 2時間04分43秒 土岐商 岐阜
2時間05分03秒 田村 福島 4位 2時間04分54秒 埼玉栄 埼玉
2時間05分14秒 佐久長聖 長野 5位 2時間05分52秒 白石 佐賀
2時間05分36秒 諫早 長崎 6位 2時間05分58秒 世羅 広島

 なんとも、すさまじいレベルだったわけである。
 ちなみに、4年前の高校駅伝を走ったメンバーが、今度の箱根駅伝に大挙出場する。
 西脇工の優勝メンバーだった1区・奥田真一郎(順大4年)、3区・中尾栄二(早大3年)、4区・清水将也(日大3年)、5区・藤井周一(日大2年)、6区・神屋伸行(駒大4年)。
 2位の大牟田では1区・池田圭介(中大3年)、4区・野村佳史(中大3年)。
 そして、土岐商の1区・揖斐祐治(駒大4年)。

 話は今大会に戻るが、2時間7分未満、8分未満、9分未満、10分未満のチーム数は、今回が文句なしでナンバーワンである。特に、10分未満のチーム数は、記念大会で地区代表11校が加わった99年を上回ったのだから、価値が高い。気象コンディションにも恵まれたのだろうが、それは過去に記録が量産されたときも同じこと。今大会のレベルの高さを、素直に称えるべきだろう。