2001/9/28 日本インカレ
実学円盤投特集@
実学といっても実業団・学生対抗ではなくて、男女の円盤投が盛り上がった日本インカレと全日本実業団の2試合のこと。ともに9月の最終週に行われた
島根大が日本インカレ初優勝
福代が女子円盤投を47m41で制覇


「入学当初は地方でもやれる自信があったんですが、だんだん周りがよく見えるようになるっていうか、ちゃんと打ち込めないのを環境のせいにしてしまっている自分がいました。2〜3年になって周りが伸びているのを見ると、中京大とかいって(室伏)由佳さんと練習すると伸びるんじゃないかとか思って。今はそうは思いません。中京大にも行って、室伏先生にもお世話になっています。こういう競技は、自分がしっかりしないとダメなんだとわかりました」
 日本インカレ史上初の島根大優勝者となった福代夏子が、地方の国立大で不利と感じたことはないか、という質問に対する答えである。島根大は4位にも3年生の牧和穂が44m95で入り、部としての強化がうまく回転していることをうかがわせた。
 福代から話を聞いていて、島根大にはスポーツ科学コースがあり、人数は多くないようだが年に何人か、推薦枠で入学することができる(陸上で何人とは決まっていないようだが)。この点は予想通りだったが、技術的な指導のできる投てきコーチがいるわけではない、という点は予想外だった。円盤投の技術は附属中学の先生に、ウエイトメニューはジムの指導員に立ててもらっているという。
 福代は高校時代、46m20の記録を持ちインターハイでは2位になっている選手。大学1年で47m96に記録を伸ばし、日本インカレでも47m74で4位に入賞した。だが、2年時は45m68、3年時は46m83とコメントにあるような理由で自己記録を伸ばせなかった。今回の47m41も自己3番目の記録である。
「自己新を出したら2〜3番でもいいかなって思っていたんです。この記録で1番というのはちょっと……」
 確かに、過去9年間では最も悪い優勝記録ではある。しかし、中京大、筑波大、国士大、東海大といった投てきの名門校の選手を破ったのである。上記3大学は投てきコーチが大学の先生としているので、技術面から筋力トレーニング、そしてメンタル面まで指導してもらえる。福代のように色んなコーチに指導を仰ぐ環境は、実際、強い意思の力が要求されると思われる。だが、学生時代からいろいろ考える習慣がついていれば、卒業後も環境の変化に左右されることなく、記録を伸ばすことができるのではないか。福代自身が言っているように、“自分がしっかりする”ことができれば…。
 その前に、「国体で50m」を投げることが当面の目標である。