2001/8/26 北海道マラソン
30kmまでの5kmがペースダウンした理由とは?
市河側から見た北海道マラソン


 千葉真子(SAC)が30kmでスパートし、35kmまでを17分08秒にペースアップ(優勝者の5km毎通過タイムとスプリットタイム)した。25kmから30kmまでは18分52秒だから、実に1分44秒もの上げ幅だったのである。いかに千葉のスパートが強烈だったかがわかる。
 しかし、20kmまでの5km毎は17分台(1回18分00秒)をキープしていた。先頭を引っ張る市河麻由美(三井海上)のペースが20km以降鈍り始めていたから、千葉のペースアップが強調される結果となった。だが、市河にも実は、作戦があった。
「千葉さんが後ろにつくのは、記者会見の発言なんかから予想できました。30kmで絶対に来る、と予想できたので、25〜30kmを上げずに待っていたんです。私も後半勝負のつもりでしたし、そのつもりで100 %で行っていませんでした」
 しかし、千葉がスパートした30〜35kmの5kmを、市河は19分35秒も要している。
「一気に行かれて、バーッと見えなくなって…。赤木(純子・積水化学)さんに行かれたときも抵抗できなくて。仕掛けないで仕掛けられるのを待っていることで、どこかおかしくなったのかもしれません」
 強気で知られる市河。今回もラジオの事前インタビューで、強気の発言をしていたという。
「自分の弱いところを見せつけられました。赤木さんに抜かれて3位になったとき、監督から『まだわかんねーぞ』って言われなかったら、自分だけだったら抜き返せなかったかもしれない。今夜はいろいろ、考えちゃうでしょうね」
 だが、プラスの要素がまったくなかったわけではない。
「今回は納得のいく練習ができたわけではありません。去年(2時間32分30秒で優勝)より暑くてこのタイム(2時間36分14秒)ですから、もっと納得のいく練習ができていれば、(去年より)走れていた思います。今回は自分でも、筋力が落ちているのがわかりました。痩せることも大事ですが、ある程度の大きさも必要です。タンパク質摂って走り込みたいと思います」
 現在、土佐礼子と渋井陽子が飛ぶ鳥を落とす勢いの三井海上。だが、最初にマラソンに取り組み(97年ベルリン)、最初に選考会を勝ち抜き(99年名古屋)、最初に世界選手権に出た(99年セビリア)のは、他ならぬ市河である。捲土重来を期待したい。