2001/5/29
日本選手権記者発表で判明したリレーの選考詳細
今回の日本選手権は世界選手権の最終選考会。自動的に代表に決定する基準が、3月の段階で日本陸連から発表されている。ここに発表されていないケースは全て、日本選手権終了後に日本陸連の決定に委ねられることになる。
つまり、女子走高跳で太田陽子(ミキハウス)、今井美希(ミズノ)の2人ともにA標準が跳べなかったり、男子110 mHで好調の山田真利(筑波大)がA標準突破者3人を抑えて優勝した場合などは、すべて日本選手権での戦いぶりを見て日本陸連が決めることになる。男子1万mも110 mH同様、A標準突破は全て今年の選考会以外で出した記録。B標準突破者が上位に来た場合は、自動的に決定ではなく、選考によって決まる。B標準突破者が1人しかいない場合も、派遣されるかどうかは、代表が発表されるまではわからない。
以上は、特に気になっていたわけではなく、3月の時点で判明していたことだ。リレーについても3月の時点で、「リレーについてはその特殊性を考慮し、日本選手権の成績で選ばれるわけではない」ことは、公表されていた。つまり、日本選手権で5位の選手が、その選手の能力がリレー向きと陸連が判断すれば、選ぶ可能性があるということだ。
今日の記者会見でも「4×100 mRについてはコーナー(を走る能力)の関係で上位をそのままというわけにはいかないが、4×400 mRは上位の選手がそのままという可能性が高い」と、桜井専務理事はコメントしている。
女子では4×400 mRが先の東アジア大会で派遣記録(リレーは標準記録がない)の3分34秒00を突破した。4×100 mRは44秒24と好走したが、派遣記録の44秒00には及ばなかった。「坂上選手が100 mでB標準を、金沢選手が100 mHでA標準を突破しているが、それに2人を追加して4×100 mRメンバーを組む可能性は?」との質問には、「わかりません。派遣記録を設定したわけだし、B標準突破者も行けると決まっているわけではない」との回答。すべては、日本選手権の結果次第、選考次第ということだ。
また、今年の選考会での男子100 mA標準突破者がいないが、日本選手権本番で1、2、3位の選手がA標準を突破すれば、他種目なら自動的に代表になる。だが、リレーに関係する種目については、例外だとのこと。
6月11日の代表決定は従来同様“短距離種目”という形での選出で、世界選手権本番で誰がどの種目に出場するかは、エントリー時点まで決定しない。「昨年のシドニー五輪同様、(エントリー締め切りまでにA標準を突破しても)個人種目に出ない選手も考えられるし、個人種目だけになる選手が出てくる可能性もある。末續選手は別として、リレー重視になる」と専務理事は言う。
また、標準記録未突破者がリレーの代表として選考され、その後、標準記録を突破した場合は、これも従来通り、個人種目にエントリーする可能性はあるとのこと。