2001/5/23 東アジア大会1日目(2)
池田、6m52の自己新
ファウルでは6m70(B標準突破)の跳躍も

 5月3日の静岡国際で6m50(+1.4)の日本歴代4位をマークしている池田久美子(福島大)が、雨の中、1回目に6m52(+0.1)と自己新をマークした。しかし、その後はファウル、ファウル、6m36(+0.8)、ファウル、ファウルという成績。
「審判の方がファウルでも計測してくださったんですが、2回目は1cmか2cmのファウルで6m70、3回目は5cmくらいのファウルで6m66だったようです」
 世界選手権のB標準は6m65、A標準は6m75。一気に可能性がふくらんできた。
 だが、2回目以降のファウルの多さも気になる。
「試合、試合と続いて、スピードが上がってきたからだと思います。それで助走が安定していないと、改めて感じました。走力だけということでなく、助走もしっかりしないといけませんね」
 5回目終了時点では、1回目の6m52で池田がリードしていた。だが、6回目に中国の関英楠が6m61(+1.3)を跳んで逆転。最後の跳躍者の池田は、先に紹介したようにファウル。
 福島大の川本和久監督は、後半に記録を伸ばせなかったことを、次のように評した。
「中国選手も花岡さんも、最後の試技で記録を伸ばしました。さすがに中国選手は世界ジュニアで勝っている選手、花岡さんは日本記録保持者です。その点、池田はまだまだです」
 しかし、前半に記録を出すことは、悪いことではない。実際、静岡国際の際には1・2回目がファウルと、3回連続ファウルの危機もあった。
「池田には、世界と戦うためには3回目までに記録を出そうと話したんです」
 雨の中での自己記録更新、1回目に記録を残したことは、評価できるわけである。

 しかし、日本選手権にはぶっつけ本番というか、そこで標準記録を破らないといけないことになった。それでも、川本監督に追いつめられたような悲壮感は微塵もない。
「楽しみじゃないですか。跳べたらその選手の力のわけですし、跳べなかったら次に向けてチャレンジするだけです。仮に世界選手権に出られなかったら力をつければいいだけです。3年後のオリンピックに間に合えばいいわけですから、慌てていません」
 師弟ともに追いつめられた雰囲気がないだけに、よけいに楽しみになってきた。