2001/5/20 関東インカレ
日体大、男子短距離種目で好走
4×100 mRは内容が充実、4×400 mRは日体大新記録
100 mは3人が決勝進出 各選手の高3時の記録も紹介
日体大が男子両リレーで好走を見せた。男子4×100 mRは39秒67で東海大、早大、日大に続いて4位。4×400 mRは3分05秒73と日体大新記録で、東海大、順大に次いで3位。法大には0.02秒差で競り勝った。
4×100 mRは表面的には不満が残るだろう。3位に入りたかったというのが本音だろうし、記録的にも39秒台前半を狙っていた。だが、内容をよく見ると、日体大の充実ぶりがよくわかる。
大会初日(5/13)の予選は、筒井・藤本・瀬野・佐藤で39秒58で2組2位。東海大に0.28秒差だったが、39秒56の日体大記録にも0.02秒と迫った。
大会2日目の100 m準決勝ではエースの奈良賢司(4年)が向かい風0.5mの中、10秒40の好タイムをマーク。五輪選手の末續慎吾(東海大)が最後に流したとはいえ、先着してみせた。そして、決勝には奈良、田島宣弘(3年)、筒井健裕(4年)が進出。3人全員が決勝を走るのは、初めてではないかとOBたちは口を揃えた。
大会3日目の100 m決勝では奈良が2位、田島6位、筒井8位。ここで注目してほしいのは、100 mで上位の2人、奈良と田島が4×100 mR予選を走っていない点だ。対校得点が重視されるインカレにおいて、エースと準エースを欠いて予選に臨むとは、他の大学には真似できないことだろう。それだけ、粒ぞろいの選手に自信があったということになる。そのメンバーで、大学記録に0.02秒と迫ったのだ。決勝が期待された。
ところが、である。100 m決勝と同じ3日目に行われた4×100 mR決勝は、藤本・田島・筒井・瀬野のメンバー。100 m2位の奈良の名前がない。
「100 mで(スピードを)上げようとしたところで、脚にピッと来たんです。本人もユニバーシアードを狙っていますし、4×100 mRの記録はまた出すチャンスがあるということで、無理をさせませんでした」と、水野増彦コーチ。
という経緯で39秒67で4位という成績になったわけである。9月の日本インカレでは2強(東海大、早大)に迫る走りを期待したい。
堀籠・中村・大塚・浅野のメンバーで臨んだ4×400 mRはその点、記録的にも日体大新記録、順位的にも法大に競り勝ったということで、満足できるものだろう。
各走者のラップタイムは1走から順に
46秒7
47秒1
46秒2
45秒7
個人種目の400 mでは浅野が5位、堀籠が8位に入賞している。
各選手の高校3年時のタイムは以下の通り。
1走・堀籠佳宏3年:47秒81(98年高校リスト12位)
2走・中村正4年:48秒30(97年〃27位)
3走・大塚泰史4年:47秒06(97年〃2位)
4走・浅野友亮3年:47秒67(98年〃9位)
全員がインターハイか国体少年Aで決勝に残っているが、3位以内の経験があるのは大塚だけだ。東海大の奥迫政之や末續慎吾、順大の千葉佳裕や田中貴仁、法大の邑木隆二、日大の山村貴彦や石川慎二といったスーパーエースがいないが、4×100 mR同様、粒ぞろいという陣容で戦ってきたわけである。
ちなみに4×100 mRメンバーの高校3年時の記録は以下の通り。
奈良賢司4年:10秒50&21秒21
田島宣弘3年:10秒63
筒井健裕4年:10秒58&21秒96
瀬野晃章4年:
佐藤雄哉3年:10秒66&21秒96
藤本裕也4年:10秒71
奈良以外は、全国大会の決勝に進んでいないし、瀬野にいたっては高校時代のベストは11秒1〜2で一般入試だったという。東海大や早大のような高校のトップ選手ばかりでなく、準決勝レベルの選手でもその後の頑張り次第では、39秒台前半が目指せるということである。