2001/5/20 関東インカレ
400 mHで千葉が48秒65!!
斎藤嘉彦の学生時代を上回り学生歴代2位
斎藤嘉彦に次いで日本歴代4位
世界選手権代表入りに大きくアピール

 今大会、世界的に見て最もレベルが高かった記録は、男子400 mHで優勝した千葉佳裕(順大4)の48秒65だろう。
 第4コーナーを出てきたときはすでにトップ。4〜6m後方で展開されていた河北尚広(筑波大3)と星野晃志(中大4)の2位争いを後目に、フィニッシュまで勢いは衰えなかった。ランニングタイマーは48秒65で止まった。飛び上がって喜ぶ千葉。
「そんな記録が出るとは思っていませんでした。49秒台中盤かなと」
 こういうときはどんなにしんどくとも、喜びの表現のほうが優先される。
山崎さん、為末さん、河村さんと上に目標の人たちがたくさんいますが、その人たちが見えてきました。引っ張ってくれる人がいて速い展開になれば、もっといけます」

 タッチダウンタイム表からもわかるように、5台目の通過は21秒8。いつもはもうちょっと遅く22秒台前半のことが多いという。
「6レーンの星野君が速いペースでいったので、それに付いていきました」
 タッチダウン表からもわかるように、順大の大先輩、日本記録保持者の山崎一彦と比べると、いつもより速かったこの日でも、前半の通過はちょっと遅い。それは、前半のハードル間を13歩でいく山崎に対し、千葉は6台目まで14歩で行くからだ。残りが15歩だ。この日の千葉は、7台目で歩数を増やしたときに、0.1秒だが速くなっている。スムーズな切り換えができた証拠だろう。
 千葉のコメントからも、その様子がわかる。
「いつも6台目以降は、ハードルが遠いと思って踏み切っていましたが、今日はスムーズでした。リズムよくいくことができました。後半、まだ余力が残っていましたね。走る前は、大阪(GP・5/12)の方が調子がよかったと感じていたんですが…」

 千葉の昨年までのベスト記録は49秒35。1年前の関東インカレで、同じ横浜国際競技場だった。今季は5月12日の国際グランプリ大阪で早くも、49秒06の自己新で3位。日本人トップの為末大とは同タイムだった。
「まず大阪に合わせて、関カレは通過点、日本選手権が勝負だと思っていました。そこで48秒台を出して世界選手権へと考えていたんです」
 タッチダウンタイムを見ると、今回のペースはかなり上手くまとまっている。世界と勝負をすることを考えるときに、本人が前半で後れをとったら走りにくい、と考えるなら前半をペースアップする必要があるかもしれない。別に前半遅れても気にしないのなら、全体のレベルアップを考えればいい――のだが、本人は「1台目までの入りをスムーズにしたい」と言う。
「1台目が逆足踏み切りになるので、練習すればもっとスムーズにできると思うんです」
 一気に伸びた記録なので、自己記録を更新し続けるのはそう簡単でもないだろうが、為末、河村とも今季はスロースタートの様子。千葉の成長で、彼らも日本選手権を“楽に通る”ことはできなくなった。

タッチダウンタイム表
5.9 6.0 5.9 6.0
9.6 3.7 9.9 3.9 9.6 3.7 9.9 3.9
13.3 3.7 13.6 3.8 13.3 3.7 13.8 3.9
17.1 3.8 17.6 4.0 17.2 3.9 17.8 4.0
21.2 4.1 21.5 3.9 21.1 3.9 21.8 4.0
25.3 4.1 25.6 4.1 25.3 4.2 26.0 4.2
29.3 4.0 29.8 4.2 29.6 4.3 30.1 4.1
33.7 4.4 34.2 4.5 34.1 4.5 34.4 4.3
38.1 4.4 38.6 4.4 38.6 4.5 38.8 4.4
42.7 4.4 43.1 4.5 43.2 4.6 43.3 4.5
48.26 5.6 48.34 5.2 48.37 5.2 48.65 5.4
山崎 苅部 山崎 千葉