2001/5/4
高岡がついに日本新!!
10000m27分35秒09
中山の記録を14年ぶりに0.24秒更新


 アメリカに遠征していた高岡寿成(カネボウ)は5月4日の2001 Cardinal Track & Field Invitational(米国カリフォルニア州スタンフォード大学)で27分35秒09をマークして6位。中山竹通(当時ダイエー)が1987年にヘルシンキでマークした27分35秒33の日本記録をついに更新した。同レースでは入船敏(カネボウ)も27分53秒92と、昨年に続いて27分台をマークした。
 高岡は7位に入賞したシドニー五輪直後から、マラソン転向と、その前に2001年シーズンでの1万m日本記録更新を目標に掲げていた。最大の目標とするオリンピックで念願の入賞を果たせば、ホッとして一段落おきたいところだが、高岡は次の目標に向けて、例年と変わらない、あるいは例年以上の“いい”トレーニングを積めたのであろう(具体的にどうよかったかは、取材してみないことにはわからないが)。カネボウ・伊藤国光監督は、今の高岡を「入社以来最高の状態」と評価しているほどだ。
 高岡の特長として、狙った試合にピークを合わせるうまさが挙げられる。96年のアトランタ五輪最終選考会の1万mには、故障上がりで一度も標準記録を突破していなかったにもかかわらず、最後の最後で27分台を記録して優勝した。
 この年は、さすがにアトランタ五輪で再度、調子をピークに持っていくことはできなかったが、昨年のシドニー五輪では、前年に代表に決まっていたことを十分に利用し、4月の織田記念で走れることを見せ、あとは五輪本番に合わせた。五輪前のヨーロッパ遠征はもっぱら、5000mに出場して調整した。
 今季も、兵庫リレーカーニバル、アメリカ遠征の初戦と、必ずしも他の日本選手をぶっちぎる走りではなかった。だが、メンバーの揃うこの日のレースには、見事に合わせた。また、ヨーロッパのグランプリに比べ、有力選手が出るかわからないアメリカでのレースに、ケニア勢が出る情報をつかんだことも大きかった。
 高岡はこれで、8試合9レース目の27分台。日本人では最多で、上位10レース平均でも瀬古利彦を抜いてトップに躍り出た。

Men's 10,000 Meters (Championship Section)
1 (h-1) Abraham Chebii Puma International 27:04.20
2 (h-1) Ben Maiyo Puma International 27:07.55
3 (h-1) Luke Kipkosgei Puma International 27:12.37
4 (h-1) Mebrahtom Keflezighi Nike 27:13.98
5 (h-1) Alan Culpepper Adidas 27:33.93
6 (h-1) Toshinari Takaoka Japan 27:35.09
7 (h-1) Jeff Schiebler Nike/Canada 27:36.01
8 (h-1) Satoshi Irifune Japan 27:53.92
9 (h-1) Abdi Abdirahman Nike International 28:01.02
10 (h-1) Toshiuiro Iwasa Japan 28:24.31
11 (h-1) Andrew Letherby Fila 28:25.56
12 (h-1) Alan Bunce New Zealand 28:26.80
13 (h-1) Clint Wells NYAC 28:30.27
14 (h-1) Yoji Yamaguchi Japan 28:31.58
15 (h-1) Michael Aish Western State 28:37.27
16 (h-1) Phil Price Team USA 28:49.52
17 (h-1) Brent Hauser Nike Farm Team 29:14.35
(h-1) Martin Keino Puma International DNF
(h-1) James Getanda Puma International DNF
(h-1) Bob Kennedy Nike International DNF
(h-1) Jason Rexing Nike Farm Team DNF
(h-1) Weldon Johnson LetsRun.com DNF
2000年末時点での日本歴代10傑
1) 27.35.33 中山竹通 (ダイエー) 1987. 7.02 ヘルシンキ
2) 27.40.44 高岡寿成 (鐘紡)   2000. 9.25 シドニー
3) 27.42.17 瀬古利彦 (エスビー食品) 1985. 7.02 ストックホルム
4) 27.43.04 米重修一 (旭化成) 1988. 5.13 国 立
5) 27.44.5 新宅雅也 (エスビー食品) 1983.11.29 国 立
6) 27.45.13 花田勝彦 (エスビー食品) 2000. 9.22 シドニー
7) 27.46.16 阿久津浩三 (福島病院) 1988. 5.13 国 立
8) 27.46.39 渡辺康幸 (エスビー食品) 1998. 4.26 神 戸
9) 27.47.35 伊藤国光 (鐘紡)   1980. 7.07 ストックホルム
10) 27.48.59 喜多秀喜 (神戸製鋼) 1980. 7.07 ストックホ