2001/2/24
日中対抗室内横浜大会  
森が室内日本新!! 対抗戦は僅差で日本
西村と海鋒が室内歴代3位!!


横浜大会リザルツ一覧表(180KB) 日本ジュニア室内横浜大会リザルツ一覧表(160KB)
北京大会の記事(日本選手数人)
天津大会の日本選手リザルツ(陸連サイト)

 標記大会が横浜市の横浜アリーナで行われた。中国における天津(18日)、北京(21日)に続いての日中対抗第3戦。2連敗していた日本が、地元で踏ん張り112.5点対109.5点で僅差ながら競り勝った。
 日本選手で3大会ともに制したのは男子400 mの邑木隆二(法大)。邑木は4×400 mRのラップでも46秒4、特に前半の200 mは21秒8と、観衆をはっとさせる走りを見せた。
 北京に続く2連勝は男子200 mの松田亮(広島経大)と女子800 mの西村美樹(東京高)。西村の2分06秒68は室内日本歴代3位だが、記録だけでなくレースぶりにも強さが感じられた。先頭を走っていて最後のカーブでややスピードが落ち、中国選手に抜かれそうになったとき、とっさに反応してスパートするなど、これまでの日本選手にない勝負強さも持ち合わせている。
 復調ぶりが目に付いたのは60mHの桜井健一(ミキハウス)だ。一昨年こそA標準を破って世界選手権に出場したが、昨年は不調でA標準突破者ながらシドニー五輪代表に届かなかった。それが今大会では、天津、北京と2連勝中の浅見公博(佐川急便)を抑え7秒85でフィニッシュ。好調だった99年に出した7秒83には惜しくも届かなかったが、歴代4位相当の好タイム。復調なったと見て間違いない。
 その他では、棒高跳の小林史明(ミキハウス)と澤野大地(日大)が、5m40までは好調な跳躍を見せていた。男子走高跳の君野貴弘(ゴールドウイン)も2m20とまずまず。男子砲丸投の野口安忠(コニカ九州)は、昨秋の右ひじ手術(遊離軟骨の除去)から間もないが、17m50と地力のあるところを見せた。
 また、女子60mに7秒50で2位の新井初佳(ピップフジモト)は、室内の自己記録を0.04秒更新。池田久美子(福島大)も女子走幅跳に6m15で優勝、60mHも8秒57で茂木智子(同)と0.06秒差と、いよいよ力を発揮し始めた。
 中国勢では女子4×400 mRが3分38秒53と、今大会唯一の室内アジア新をマークした。
 優秀選手6人は以下の通り。
男子中国:陳 海健
  日本:邑木隆二(法大)
  招待:澤野大地(日大)
女子中国:高 淑英
  日本:西村美樹(東京高)
  招待:森 千夏(国士大)


森が室内初の16mプット!!
16m02
「目標は世界選手権」

 森千夏(国士大2年)が、大学の先輩に当たる豊永陽子(徳島健祥会)、1学年先輩の市岡寿実(国士大3年)抑えたばかりでなく、室内では初の16mプットをやってのけた。これまでの室内日本記録は、鈴木文が93年に出した15m91。昨年、3人が16mオーバーをしている現在の女子砲丸投陣の勢いが、室内でも結果となって現れた。
 森は昨年4月、群馬リレーカーニバルで16m43の日本記録を出し、セカンド記録も16m41、サード記録も16m38とレベルの高い投てきを見せていたが、ややムラがあり、市岡とも学生の試合で勝ったり負けたり。
 10月の日本選手権は秋口に調子を上げてきた先輩の豊永が16m46と、森の日本記録を更新して優勝。森は15m28と低迷し、市岡にも大差をつけられて3位。そのため、中国遠征のメンバーからは漏れる結果に。
「今日が最初の試合だったので楽しんでいこう、という気持ちでした。緊張すると硬くなって飛ばなくなりますから。リバースが早かったので、リバースを我慢していったら、1本だけひっかかりました。記録は全然、狙っていませんでした。今年は狙った試合で記録を出したいですね」
 高校時代から、目標を高く掲げるタイプの森。今年の目標は? との質問に「世界選手権、出てみたいです。B標準でもいいらしいので」と、彼女らしい答えが返ってきた。世界選手権のB標準は17m50である。


海鋒が2m23の室内日本歴代3位
「まだまだ現役でやれる」


 海鋒佳輝(岐阜教員クラブ)が踏み切り前のスムーズな助走から、2m23を1回目にクリア。続く2m26の室内日本新は成功しなかったが、室内日本歴代3位の好記録をものにした。89年の高知インターハイ優勝者も、昨年29歳になった。もしも今回の日中室内3連戦から春先にかけての記録が悪ければ、引退も考えていたという。
「天津(2/18)は短助走で2m05を考えていました(結果は2m10)。北京は全助走で15を目標にしていました(2m15)。北京で感じをつかめたので、横浜はテンションも上がるし20を目標にしていたんです」
 海鋒が西濃運輸から岐阜県の教員になって丸3年。記録は1年目が屋外2m21、2年目が屋外2m20と室内2m23、3年目も屋外2m20と室内2m23。
「練習時間は実業団のときは午後の3時から3時間以上とれましたが、今は生徒の練習を見てからですから1時間〜1時間半ですね。追い込んだことができない分、継続してやっています」
 昨年、オリンピックがダメになった時点で、気持ちを8月のアジア選手権に切り換えた。そこでメダルが取れて、気持ち的に切れてしまったという。
「スーパー陸上(9月・記録なし)、日本選手権(10月・2m10)とひどかったんです。その際に、目の前で15を跳躍している選手を見るのが、すごく悔しかった」
 海鋒の気持ちはまだまだ、競技者なのだ。

男女4×400 mRのラップ
男子1走・松延 修:47.4
  2走・邑木隆二:46.4
  3走・寺下好穂:48.2
  4走・佐藤光浩:49.0
女子1走・杉森美保 :55.1
  2走・信岡沙希恵:54.6
  3走・日色さおり:55.8
  4走・吉田真希子:55.3
※ラインの真横での計測ではないので、若干の誤差が生じている可能性あり