2001/2/7
熊日30kmも新人の登龍門
1万mとマラソンの双方に人材を輩出
熊本日日新聞以外では最大級の展望企画
 優勝者一覧表に、寺田が「その後の戦績」&「日本最高」を付け加えたのが下の表である。*は、その成績を残したあとで、熊日30kmに出場したケースだ。
 森下広一を筆頭に、国際舞台に羽ばたいた選手のなんと多いことか。近年では犬伏孝行(大塚製薬)もいるし、優勝者には名前がないが、藤田敦史(富士通)と西田隆維(エスビー食品)も、熊日で30kmの学生最高を更新している。工藤一良は88ソウル五輪代表の座を、最後まで争った。もしかしたら高橋健一(富士通)が、今年は熊日と同じ日に行われる東京マラソンで、2時間7〜8分台を出している可能性だってあるのだ。
 新人の登龍門と言えば別大マラソンのキャッチコピーだが、熊日30kmも同様に名乗っていい。むしろ、トラックとマラソンの双方に人材を輩出している点は、別大にはない特徴だ。鎌田、伊藤、米重とオリンピック選手に成長した選手も多い。寺田が熊日事業部だったら、その点を大きくアピールして有力選手に声をかけ、大会を盛り上げようとするだろう(すでにやっているかもしれませんが)。
熊日30kmで高岡寿成が30km初挑戦(招待選手一覧)
歴代優勝者とその後の戦績
回数 西暦 記録 日本最高 優勝者 所属 その後の戦績1 その後の戦績2 その後の戦績3 その後の戦績4
44 2000 1.29.55. 高橋健一 富士通 ハーフマラソン日本最高
43 1999 1.29.46. 野口憲司 四国電力
42 1998 1.29.47. 渡辺康幸 エスビー食品 *95世界選手権1万m *96五輪1万m
41 1997 1.30.26. 小島忠幸 旭化成 マラソン2時間9分台
40 1996 1.29.46. 高橋健一 ダイエー ハーフマラソン日本最高
39 1995 1.30.01. 大崎 栄 旭化成 *92五輪1万m
38 1994 1.30.29. 犬伏孝行 大塚製薬 マラソン日本最高 2000五輪マラソン マラソン2時間6分台
37 1993 1.30.37. 秋吉慎一 旭化成
36 1992 1.30.25. 大沢陽祐 本田技研狭山
35 1991 1.30.17. 池田克美 リクルート 91世界選手権1万m
34 1990 1.30.47. 森下広一 旭化成 91世界選手権1万m 92五輪マラソン銀メダル 初マラソン日本最高 マラソン2時間8分台
33 1989 1.29.46. 工藤一良 日産自動車
32 1988 1.31.45. 森田修一 日産自動車 91福岡マラソン優勝
31 1987 1.29.51. 米重修一 旭化成 88五輪1万m&5000m 初マラソン日本最高
30 1986 1.31.20. 春松千秋 池田製菓
29 1985 1.28.46. =日本最高 西本一也 九州産交
28 1984 1.33.09. 渋谷俊浩 筑波大 88福岡マラソン優勝
27 1983 1.32.51. 三村光明 九州産交
26 1982 1.31.52. 浦川哲夫 九州電工
25 1981 1.31.00. 工藤一良 リッカー
24 1980 1.29.12. =日本最高 伊藤国光 鐘紡 80五輪1万m&5000m マラソン2時間7分台
23 1979 1.32.45.8 弓削 裕 旭化成
22 1978 1.31.45.9 弓削 裕 旭化成
21 1977 1.31.11.2 伊藤国光 鐘紡 80五輪1万m&5000m マラソン2時間7分台
20 1976 1.30.20.8 =日本最高 鎌田俊明 鐘紡 1万m日本記録 76五輪1万m&5000m
19 1975 1.31.22.0 =日本最高 伊藤国光 鐘紡 80五輪1万m&5000m マラソン2時間7分台
18 1974 1.32.48.8 服部誠 東京農大 初マラソン日本最高
17 1973 1.33.18.8 大槻憲一 東洋工業
16 1972 1.33.55. 米重 操 リッカー
15 1971 1.31.26.8 =日本最高 宇佐美彰朗 桜門陸友会 *68五輪マラソン 72五輪1万m&マラソン 76五輪マラソン *マラソン日本最高
14 1970 1.34.36.0 米重 操 リッカー
13 1969 1.33.02.6 君原健二 八幡製鉄 *64五輪マラソン8位 *68五輪マラソン銀メダル 72五輪マラソン
12 1968 1.32.49.2 重松森雄 クラレ *マラソン世界最高
11 1967 1.32.51.6 岡部宏和 西鉄
10 1966 1.36.08.0 青木 豊 協和発酵
9 1965 1.31.51.6 =日本最高 寺沢 徹 クラレ *マラソン世界最高 *64東京五輪
8 1964 1.33.52.8 =日本最高 渡辺和巳 九州電工
7 1963 1.35.05.4 =日本最高 籾井輝久 八幡製鉄
6 1962 1.40.09. 前田力男 市交通局
5 1961 1.36.29. =日本最高 重松森雄 九州電工 マラソン世界最高
4 1960 1.38.38. =日本最高 山本善則 八幡製鉄
3 1959 1.38.40. 高口 徹 九州電工
2 1958 1.42.25. 藤木健治 三井山野  
1 1957 1.40.20. 兼行 奠 三井三池
道路日本最高記録として公認されるのは1971年以降
※熊日のホームページを見たらcopyrightと書いてあったので、入力し直しました。全部です。「=日本最高」と「その後の戦績」は寺田調べ。1960年の山本の記録が熊日と陸マガ記録集計号の日本記録変遷史で数字が違っていましたが、陸マガの方を採用。
※森下広一のように別大や東京などの国内ビッグ・マラソン優勝を飾っていても、世界選手権やオリンピックなどに出場している選手は、日本代表として出場した方を採用しました。