2001/1/31
世界選手権はB標準でもOK!
出場可能となった選手と、今後の展望
日本陸連は強化合同会議において、今夏の世界選手権(カナダ・エドモントン)代表は、従来のようにA標準突破という大原則を適用せず、A標準突破者がいない種目ではB標準突破者でも参加できることを決定した。3月の理事会で正式決定する。
今回の措置の背景には、シドニー五輪の標準記録と比べ、特にフィールド種目のA標準が一気に高くなったことがある(世界選手権標準記録はこちらで見られます)。男子なら走高跳が2m31、棒高跳が5m75、走幅跳が8m20、三段跳が16m95。これでは、出られる跳躍選手は杉林孝法(ミキハウス)選手だけだ。
そこでB標準突破選手もOKとなったわけである。走高跳の吉田孝久(ミズノ)選手、棒高跳の横山学(百十四銀行)選手、走幅跳の森長正樹(ゴールドウイン)選手が出場可能になる。今年は三段跳中心を表明している吉田孝久(ミズノ)選手はどうするのだろうか。
女子でも棒高跳の小野真澄(ミキハウス)選手が出場可能だ。小野選手の4m21は昨年2月の室内の記録だが、有効期間内でかつ、室内の記録も有効なのだ。以下のサイトで確認もできる。http://www.2001.edmonton.com/index.asp?l=en&p=360
走幅跳と三段跳でともにシドニー五輪B標準を破った花岡選手もこれで出られる、と思ったが、彼女の三段跳の記録は99年のもの、走幅跳はB標準が5cm上がったため、まだ両種目とも未突破となってしまった。昨年に続き、本当についていない。今シーズンまた、彼女はかなり燃えるだろう。
現在、まだ到達者はいないが、女子のハンマー投、やり投もB標準なら届かない記録ではない。
ただ、B標準で出られるのはあくまで1人だから、2人以上が突破したら代表争いは熾烈になる。女子走高跳はシドニー五輪に太田&今井両選手が出て好成績を修めたが、A標準が1m95と上がったため、1人しか出られない可能性が出てきた。男子走幅跳も同様のケースになる可能性が高い。A標準まで記録を伸ばせば問題ないのだが…。
あとは種目間の不公平感が出ないように留意する必要がある。例えば、砲丸投はB標準突破者でも選考したが、円盤投はB標準突破で選考されなかった、というケースだ。世界選手権は派遣枠の設定がオリンピックに比べれば柔軟にできるので、大丈夫だとは思われるが…。