2002/1/3 箱根駅伝
層の厚さを見せつけ、駒大が2年ぶりのV奪回
1万m28分ランナー2人が欠場しても余裕の復路逆転


駒大レース後の記者会見
森本葵監督
「2度目の優勝が達成できて嬉しく思います。建学120周年にいい出だしとなりました。昨年、野球が明治神宮大会で優勝し、サッカーもインターカレッジで優勝。箱根がネックでしたが、それが優勝できました。いいコーチたちと、いい選手に恵まれました」
大八木弘明コーチ
Q.レースを振り返ってのお気持ちは?
大八木 今回は往路に**のないようにとミーティングで話してきましたが、いい感じで往路を終わることができました。復路には自信がありました。6区でいい流れをつくることができ、総合優勝することができました。プレッシャーはすごくありました。全日本の優勝で、“箱根も優勝して当然”という雰囲気がありましたから。選手たちもいろいろ気を遣ったとと思いますし、ピリピリしたところもありました。エース級のなかで体調を崩した選手もいました。その中で優勝することができたのですから、いいチームができたと思います。
Q.一番注意して指導された部分は?
大八木 体調面に一番注意しました。オーバーワークにならないことと、風邪やケガなどに神経を使いました。選手たちが忠実に、やってくれました。エース格の選手が2人上がってきませんでしたが、(それでも優勝できたのは)それだけウチのチームの層が厚かったということです。
Q.レースまでとレース中で、一番、不安だった部分は?
大八木 正直な話、1区に内田を使えず不安はありました。2日前まで使おうか使うまいか、迷いました。北浦に代えると最終決定したとき、選手たちも納得してくれました。(レースでは)神屋が30秒差を一気に詰めてやろうとしてオーバーペースとなり、ちょっと後手後手に回ってしまいましたが、そこのところくらいでした。
Q.2年前の優勝チームと、今年のチームの違いは?
大八木 2年前は層が薄かったんです。故障や体調不良の者が出ず、完璧な区間配置ができて優勝できました。今回はエース格が2人いなくても優勝でき、層がものすごく厚かった。
Q.ここ数年、登り下りの選手が固定化されていないのは?
大八木 登り下りは、向いた選手がやってくれるのに越したことはありません。松下みたいに、平坦でもずば抜けていい選手は、平坦な区間で1分とか勝ってくれた方がいいわけです。やっぱり、エースは2区でしょう。山は、専門化できると一番いいですね。
Q.就任されてから7年間、安定した成績を残していますが、駒澤の駅伝とは?
大八木 練習が一番ですが、選手たちが私生活の中で陸上を一番として考えながら、生活していってくれています。順調に結果も出ていますから、データも蓄積されてきています。ここまで練習できればこの記録が出る、というのが選手たちもわかってきます。レベルを上げようとする部分と、オーバーワークを抑えないといけない部分を、私がアドバイスしながらやっています。それがいい形で出ています。

1区・北浦政史(2年)区間13位
「総合優勝できてすごく嬉しいです。ですが、個人ではまだまだの結果でした。今年、もっと練習して、注目選手に挙げられるくらいになりたいです」
2区・神屋伸行(4年)区間9位
「最後の箱根ということで気合いを入れていましたが、それが調整で裏目に出て、個人では醜態をさらしてしまいましたが、後ろのみんなが頑張ってくれて、チームとして最後に優勝できて、すごく嬉しいです。後ろのメンバーに感謝しています」
3区・島村清孝(3年)区間2位
「なかなか故障が治らず、今回もギリギリのメンバー入りでした。どこを走ってもできるだけ上位でと、思っていました。4区に松下がいたので、安心して走れました。チームが総合優勝でき、よかったです」
4区・松下龍治(3年)区間1位
「総合優勝できて嬉しいです。個人でもやっと区間賞が取れましたし。一番長くお世話になった4年生に優勝をプレゼントできたことも、嬉しいです。1年生の時とはチームの雰囲気も違う中で優勝できて良かったと思います」
5区・田中宏樹(1年)区間4位
「1年生から総合優勝を味わえて嬉しいです。往路優勝のテープを切れなかったのが悔やまれますが、来年に向けて練習を積んで、頑張りたいと思います」
6区・吉田 繁(2年)区間2位
「いい感じで走れたのは、先輩たちの励ましのおかげです。みんなで勝ち取れた優勝だと思います」
7区・揖斐祐治(4年)区間3位
※ドーピング検査のため出席できず
8区・塩川雄也(1年)区間2位
「先輩がたが自分のところまでトップで持ってきてくれたので、自分はそのまま9区の正仁さんにつなぐことだけを考えて走りました。総合優勝でき、本当に嬉しいです。来年また走れるように、頑張ります」
9区・高橋正仁(4年)区間1位
「キャプテンとしてこの1年チームをまとめてきて、このチームで勝てなかったら悔しかった。それを思い出しながら走りました。3回連続区間賞は自信になりました。この結果に満足せず、次の競技人生を頑張りたい」
10区・河村修一(4年)区間4位
「みんながつないできたタスキで、1位でゴールできて嬉しいです。今回、みんなが想像以上に走ってくれたので、10区ですが緊張しないで走れました。みんながいてくれたから、自分の走りができました」