2002/1/2
箱根駅伝復路展望
4年連続“紫紺決戦”か?
神奈川大が割って入るか?


 復路の最初のキーポイントは6区だ。場合によっては、総合優勝の行方を左右するかもしれない。芦ノ湖で入ってきた各方面からの情報によると、往路23秒差で2位の駒大の6区は吉田がそのまま下る可能性が高い。吉田はトラックの記録はないといってもいい選手。スペシャリストを養成しようとしているのだろう。大八木コーチは「明日は6区がどう下ってくれるかでしょう」とコメントしている。ということは、全幅の信頼がおけるほどではない、という意味だろう。

 神奈川大の大後監督は「(5kmまでの)登りで逆転されるかもしれない」と謙遜する。区間エントリー通り浅尾が下りそうだが、駒大・吉田との力関係は、蓋を開けてみなければわからない。7区以降のメンバーを比較すると、ちょっとやそっとの健闘では駒大に勝てない。9区に1万m28分ランナーの相馬を残しているが、それだけでそううまくいくとは、大後監督も考えていない。
 しかし、6区で2分差をつけるようだと、もう1区間勝てばいいということになり、7区以降の選手も精神的に楽になる。それが快走を生む要因となるかもしれない。今大会、神奈川大は前半比較的抑えて入って、後半でペースアップする走りで差をつけている。駅伝の1つの勝ちパターンにはまっているのだ。

 だが、駒大に勝つ可能性となると、順大の方が高いかもしれない。仲村監督は「(往路に)あの戦力を使ってあの結果では、どうしようもない」というが、エースの岩水嘉孝を9区に残しクインテットのうち4人を往路に使ってきたということは、6区がなんとかなると踏んでのことだろう。前回までの宮井将治のような山下り要員が養成できたとみていい。
 5区・野口の快走で駒大との差は24秒にまで縮まった。3区と思われた中川拓郎も復路に残せているので、8区か10区に投入されるだろう。6区で駒大を逆転し、逆に1分半の差をつければ、7〜8区で再逆転されても、9区勝負に持ち込める。故障上がりの岩水嘉孝だが、エースの意地を見せる可能性はある。もちろん、2年連続区間賞の高橋正仁(駒大)も、簡単には引き下がらないだろうが…。

 過去3年間1・2位は順大と駒大で占められてきた。明日もそうなる可能性が高くなってきたが、駒大がグンと優位に立ったのは紛れもない事実。6区でブレーキさえしなければ、7区までにはトップに立っているだろう。そして、9区・高橋正仁でダメを押して10区でさらに差を広げる。最も実現の可能性が高いシナリオだ。

 2区間連続区間賞で往路4位と健闘した早大だが、復路は他の上位校に比べ手薄になる。大東大は6区に金子宣隆という切り札で一気に挽回を図るだろうが、いかんせん、3分は差があり過ぎる。むしろ、往路8位とはいえ山梨学大が安定した強さの清家健、ユニバーシアード1万m代表の橋ノ口竜一の投入も予想され、復路に戦力を残せている。カリウキが額面通りに走っていれば、神奈川大とともに“紫紺対決”に割って入っていただろう。