2004/6/29 ザグレブGP
グランプリ男子100 m過去最高順位タイ!
末續10秒29、2戦目で課題を克服
末續慎吾 2位 10秒29(±0)
1位 10秒18 A.A.Zakari GHA
3位 10秒31 D.Campbell GBR
4位 10秒37 J.Gardener GBR
5位 10秒43 M.Osovnikar CRO
6位 10秒47 N.Alexander TRI
7位 10秒49 D.Vojonovic CRO
8位 10秒54 M.Shirvington AUS
レース後の末續コメント
●レース展開
スタートは末續の左隣、2レーンのVojonovicが速かったが、末續の視界には入っていなかった。
「初めはトップかなと思っていました。70mくらいまで。でも、気づいたら横にいました。4レーンのGardenerが世界一ダッシュが速いと言われていますが、あのくらいならつけるかな。でも、やっぱりラスト20mで(Zakariに)刺されました。(これから)そこをやるしかないですね。走り自体はスムーズでしたよ。結構、思ったレースができました。(中盤は)いい感じで伸びたなと。そう思ったら横にいたんです。地力が、あっちの方が上ということです。でも、ゲーツヘッドではフィニッシュが速すぎて、最後で刺されましたが、今日はキチンと走りましたよ。120mくらいまで走り抜ける感じで」
●記録について
「(優勝タイムは)10秒0台かと思ったら10秒1台(10秒18・ザカリ=ガーナ)。日本だったら(僕は)10秒1台でしたね。今日はトップと0.1秒以内が目標でした。実際は0.11秒でちょっとダメでしたけど」
●ゲーツヘッドでは前半でパンチをもらって「出鼻をくじかれた」(高野コーチ)が…
「今日は対処できましたよ。ゲーツヘッドでは(ボクシングでいう)初めのラウンドで打ち合いをして力を使い過ぎてしまいましたが、今日は万遍なく勝負できました。“あれこれ”でなく、自分のレースを気にせずに行けたのがよかったんでしょう。残りの20mも、他が気にならないようにできればいいんですが。今日は最後に、ラッキーパンチをもらった感じです。この前は気づいたらボコボコにされていましたが、今日はそれほどやられた感じはしません。単にボコボコされるのでなく、戦って課題を見つけ、またやり直すことが今回は必要だったと思います」
●終盤の走りは、昨年の200 mの“なんば”と一緒なのか?
「ゲーツヘッドでは腕振りのタイミングが“なんば”とは逆になって、ラスト20mでは流れていました。今日は“なんば”っぽかったですね。(200 mよりも)高速回転しているなかでの動きですから、200 mとはちょっと違いますけど」
●ウォーミングアップについて
「ゲーツヘッドとはアップを変えました。量も多めにしてしっかりやりました。最初から動きましたね。オリンピックではこういうのも使っていこうかな。予選をアップ代わりにする方法もありますが。サーキットなど1本だけのレースは、体に芯が通らない感じが残るんです。いつも、あと0.1秒くらいは行けたかな、と。今日は確実に1本目としては上げられたと思いますよ。去年の水戸国際でも、この前の日本選手権でも、追い風でやっとこさ10秒1台、0台でしたが、それが最初から10秒0台を出せる。そうなれば、3本目(準決勝)くらいに、レベルの高い組でも残れると思います。でも、そのタイムを出しても5番じゃ意味がない。そのためにも今回、グランプリの100 mを経験する必要があったんです」
●外国選手の反応について
「今日は話しかけてみました。“またオマエ来たのか”という反応でしたね。イギリス勢は“次は勝てる”とでも思っていたんじゃないですかね。ちょっと印象づけられたと思いますよ」
●良かった点と100 mへの感触
「(課題は)ビデオを見てみないと難しいですね。残り10mあたりですかね。(終盤まで)見えていなくて、気がついたら2位だったというのがよかったです。ゲーツヘッドみたいに力んでいませんでしたね。今日は、冷静に燃えていましたね。かなり冷静でした。頭で考えても動きはついてこないですからね。無意識にどんな走りができていたか。ビデオを見てみないとなんともいえませんが、今日は自動化されていたと思います。(100 mへの好感触は)ありますよ。4位と2位ですからね。2試合ともメダリストをかわしていますし。これがラウンド制の大会になると、ちょっと有利かな」
●帰りたくない
「これまで経験したことのない雰囲気です。運動会みたいですよね。日本の試合は全部、張りつめたものがありますけど。僕の考えていた陸上とは、ちょっと違っていましたね。走りもあと1・2試合あればもっと良くなりますが、それはオリンピックでということで。多少、欲求不満くらいがいいかもしれません。(ラッキーパンチももらったが)帰りたくないですね。スタートから格闘技みたいにやれると思うと、ワクワクします。面白いですよ。これはクセになりますね。オリンピックも、こんな雰囲気でやれたらいいですね」
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