2004/7/2 ローマGL
為末、8台目までトップも49秒14の7位
練習不足で自身初めて経験するきつさ
1 48.43 Sanchez Felix DOM
2 48.82 Keita Naman FRA
3 48.86 Rawlinson Christopher GBR
4 48.90 Herbert Llewellyn RSA
5 49.01 Thompson Kemel JAM
6 49.02 Iakovakis Periklis GRE
7 49.14 Tamesue Dai JPN
8 49.38 Muzik Jiri CZE
9 49.82 Meleshenko Yevgeniy KAZ
「タメスーエ!」
「タメスーエ!」
ヨーロッパの400 mHレースでは珍しくないどころか、必ず聞かれるアナウンスがスタジオ・オリンピコにこだました(ここの通告のボリュームは正直、もう少し小さくしてほしい)。01年ザグレブ以来連勝を続けているサンチェス(ドミニカ)は3レーン、為末大(APF)は6レーン。レーンの違いによる差でなく、明らかにバックストレートは為末がリードを奪っていた。
「4速(トップギア)に入るのが早かったですね。スピード系はよくて、あのまま最後までもてば48秒2〜3は出るのですが」
タッチダウンタイムの比較表からわかるように、5台目の通過は過去最速の01年世界選手権決勝にこそ及ばないが、2台目以降のインターバルは3.7秒の高速で4台目まで行っている。1台目の入りが若干遅く、それが5台目の通過タイムに影響した形である。
しかし、4台目を過ぎて若干のペースダウン。8台目まではなだらかな下降曲線でトップをキープしていたが、「8台目ではもう特攻状態。片道の燃料でしたね」というくらいに、限界が来ていた。9台目でサンチェスに並ばれると、10台目を越えてサンチェス以外の選手にも次々に抜かれてしまった。49秒14の7位。
「10台目の前くらいで、息もできないくらいでした。そこまで苦しくなるのは初めてですね。でも理由は何のことはない、ただのガス欠なんです。耐乳酸トレーニングが不足していました。ヨーロッパに来てから6日間、(ゲーツヘッドを欠場する理由になった腰痛で)寝たきりでしたから。1時間に1回立ってウロウロする。それが一番良い治療だと、日本選手権前の腰痛のときにわかりました」
3日前にやっと、シューズを履いてトレーニングを開始。
「バネがたまっていてスピード系は大丈夫ですけど、耐乳酸の部分がダメですね。スピードとハードルと耐乳酸とトレーニングの3つの要素のうち、スピードとハードルは昨日、今日でできましたが、耐乳酸はできませんでした」
最後の減速が大きかった今回のレースだが、表からわかる通り昨年の世界選手権準決勝よりも、踏みとどまっている(風向で差が出るくらいのタイムだが)。スピードを上げた方が痛みはないという為末。耐乳酸系のトレーニングはそれほどスピードを上げられないと思われるが、腰痛さえなくなれば「トレーニングで何とかしやすい部分」と、自信を見せている
「48秒6くらいは出したかったですね。9台目まで38秒1とか2まで出したかった。そうすれば、順調に行っている証明になります。8台目を(エドモントンを上回る)33秒0で行かないと、サンチェスには通用しません」
昨年のヨーロッパ遠征は49秒台後半に終始した。それを思えばアテネまでの道筋は見えている。次は6日のローザンヌ。
「48秒5か6では走りたいですね」
タッチダウンタイム比較
04ローマ |
03wch準決 |
01wch決勝 |
5.9 |
5.9 |
5.8 |
5.8 |
5.6 |
5.6 |
9.6 |
3.7 |
9.4 |
3.6 |
9.3 |
3.7 |
13.3 |
3.7 |
13.1 |
3.7 |
13.1 |
3.8 |
17.0 |
3.7 |
16.9 |
3.8 |
16.9 |
3.8 |
21.1 |
4.0 |
20.9 |
4.0 |
20.8 |
3.9 |
25.2 |
4.1 |
25.0 |
4.1 |
24.9 |
4.1 |
29.5 |
4.3 |
29.3 |
4.3 |
29.0 |
4.1 |
33.9 |
4.4 |
33.7 |
4.4 |
33.2 |
4.2 |
38.6 |
4.7 |
38.5 |
4.8 |
37.7 |
4.5 |
43.4 |
4.8 |
43.5 |
5.0 |
42.4 |
4.7 |
49.14 |
5.7 |
49.37 |
5.9 |
47.89 |
5.5 |
※01世界選手権決勝は野口純正氏計時。03世界選手権と04ローマは寺田計時
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