ATSUYAなメール
その15
2005年3月8日

丸12年

親愛なる寺田さま

K新聞社に入社して、まもなく丸12年になるO原です。
あと4カ月と少しで、寺田さんが独立された12年と4カ月を
迎えます。陸上取材人として尊敬する寺田さんに少しでも
追いつこうと頑張ってきましたが、なかなかその足元すら視界
に入りません。もっと、もっと、おやじギャグを磨かなければと、
決意も新たに啓蟄を迎えました。

寺田さんとお会いできるのは年に数回、いつもゆっくりとお話し
したいと思っているのですが、タイミングを逃すことが多いのです。
考えてみれば当たり前で、フリーの寺田さんはレース後、あらゆる
ランナーのコメントを集めなければならず、しかもサヨナラセレモニー
や帰京の時間などを考えれば、レース前が一番いい時間帯
なのでしょうが、レース前はこちらも段取りなどで忙しく、ついつい
「レース後に」と思ってしまうのです。今回のびわ湖でも、気がついた
ときには寺田席は空っぽでした。レース中盤、23.8キロ地点で
大きなあくびをされていたのは見逃しませんでしたが。

びわ湖は非常に有意義な大会でした。
レース終盤、寺田さんのあくびを合図に集団が絞られ、気がつけば
外国人以外の日本人選手は一時、細川道隆(明石南高)、
奥谷亘(西脇工業高)、方山利哉(宝塚東高)の「兵庫産トリオ」
になっていました。今回、ペースメーカーやDNSも含めた212選手中、
兵庫登録、あるいは兵庫県出身者は計18人に上り、全体の9%
近くを占めてしましたが、ここまで健闘してくれると、我々も仕事の
しがいがあります。

結果は見事に細川が世界切符を手にしたわけですが、びわ湖では
これで藤原正和、小島忠幸に続き3大会連続で兵庫産が日本人
トップを勝ち取ったことになります。昨年の大阪国際(坂本優勝)、
びわ湖(小島忠が日本人トップ)、今年の大阪国際(小崎が
日本人トップ)、びわ湖(細川が日本人トップ)と近畿で開かれる
五輪、世界選手権の代表選考会では、運動部・K海隆至、
社会部・O原A也のK新聞コンビが無敵の強さを誇っています。
「狙った獲物は逃さない」「取材に行った以上は1面の原稿を書いて
なんぼ」という気迫が、ランナーの背中を押しているといっても過言
ではないでしょう。

当然、取材対象に恵まれたことがすべてなのですが、我ら黄金コンビ
の勝負強さも見逃すことはできません。豊かな土壌に恵まれた
神戸新聞で陸上を担当する以上、こうした「運」を持っているか
どうかは、記者を育てる上でとても大きな要因となってきます。

その金海が今回のレースを最後に陸上担当を離れることになりました。
私と一緒に来年秋の「のじぎく兵庫国体」の見守っていくことになった
のです。2人がコンビを組む以上、天皇杯の獲得はすでに約束された
ようなものですが、気になるのは後任の陸上担当記者です。

その彼女を寺田さんに紹介しようと思っていたのですが、機会を逸して
しまいました。「世界選手権出場者が出なかったら責任問題」と
されたレースを何とかクリアし、晴れてデビューを果たしたのが、
F村有希子です。関西大学陸上部出身で、陸上のメーン担当
としては神戸新聞初の女性となる彼女が、今後の兵庫陸上界
を支えていきます。入社以来、山陽特殊製鋼や姫路商業高、飾磨
工業高などを管内に持つ姫路支社で実力を磨き、4年目で晴れて
運動部に配属となりまいた。荻野純人や方山利哉、力武敏昌氏の直系
の後輩です。これからも末永くかわいがってやってください。

それでは、兵庫リレーカーニバルでゆっくりと陸上談義に花を咲かせたいと思って
いるO原A也より。いよいよ始まるトラックシーズンが楽しみです。(その前に
全日本実業団ハーフで「恋愛評論家」の家谷くんが活躍することを祈って
います)
 
K新聞 O原A也


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