出場国、参加メンバーが判明
男女ともエチオピアが超強力布陣
日本女子11連覇は? 男子の覇権奪回は?
2002国際千葉駅伝(特別協賛:ライフ・11月23日)の
参加チーム、出場選手が13日、
日本陸連から発表された。男子は14カ国のナショナルチームに、地元千葉選抜と、初の試みとして日本学生選抜が参加。女子は14カ国と千葉選抜が参加する。
●女子 注目のアジア大会2冠・孫迎傑と福士が対決
日本は福士加代子(ワコール)が3年連続の出場。今季は3000mで1回、5000mで3回日本記録を更新し、日本を代表するスピードランナーに成長した。アジア大会1万m4位の小鳥田貴子(デオデオ)、今季自己新を連発した大越一恵(ダイハツ)、そして若手期待の橋本歩(三井住友海上)といったメンバーで、11連覇に挑戦する。
しかし、今回は厳しい戦いを強いられそうだ。エチオピアがツル(シドニー五輪1万m金)に今年の世界ジュニア5000m優勝のデファーと、新旧のエースを送り込んできた。さらに、ツルを筆頭に14分40秒台の選手が4人(福士の日本記録14分55秒19を上回る)。日本の連勝街道にストップをかける可能性は大きい。ただ、つけいる隙はある。エチオピアの選手は必ずしもこの大会で力を発揮できていない。昨年もそうだったが、トラックの記録的には上のエチオピア選手に、日本選手が勝っているのである。
中国からはアジア大会5000m・1万m2冠の孫迎傑が来日する。アジア大会では両種目で福士が2位だった。同じ区間への出場となれば、大きな注目を集めることになる。中国からはアジア大会1万m3位の選手と5000m15分19秒08の選手も出場。それ以外の選手との力の差が大きいが、核となる選手が強力なので要注意のチーム。
ルーマニアも侮れない。昨年の世界選手権1万m5位のボテザンがエース格。昨年は1区で福士に1秒差と好走した。5000mの14分台こそいないものの、1万m31分台が5人。穴のない布陣となる。
ロシアは今年もエゴロワがエース。昨年の世界選手権5000m金メダリストで、14分29秒32と大会参加者中ナンバーワンの記録を持つ。昨年は2区区間9位と最悪の出来。今年はその雪辱戦となる。
●男子 ゲブルセラシエ2世・ベケレ来日、在日ケニア選手チームも強力
昨年、南アフリカに敗れて連勝が3で止まってしまった日本。山口洋司(NEC)と三代直樹(富士通)の1万m27分台ランナー2人に、アジア大会3000mSC銀の岩水嘉孝(トヨタ自動車)、同5000m代表の岩佐敏弘(大塚製薬)、同1万m代表の佐藤敦之(中国電力)、そして昨年の世界選手権マラソン5位の油谷繁(中国電力)。まさに、“駅伝で期待できる”メンバーが揃った。
だが、どこから見ても、エチオピアの方がメンバー的には上である。シドニー五輪1万m銅メダルのメゼグブがメンバー入り。1万m26分49秒50、5000m12分53秒84は大会参加者中トップ。12分&26分ランナーの走りはそうおいそれと見られるものではない。そして、今やメゼグブをしのぐとさえ言われるベケレも来日する。今年3月の世界クロスカントリー選手権では史上初のロングコース・ショートコースの2冠を達成。ラストも強く、ゲブルセラシエ2世の呼び声も高い。
この2人だけでも他チームには脅威。さらに、1万m(10kmロード)で27分20秒台の選手が3人(日本記録は27分35分09秒)、5000m13分00秒36の選手が1人。こんなチームに、どうやったら勝てるのだろうか。
ケニアが面白い。今回は日本の実業団在籍選手だけでチームを組んだ。例年、ケニアからやってくる選手たちは、今ひとつ。額面通りの走りがなかなかできないでいる。だったら、在日選手でチームを結成した方が強いのではないか。
国内のトラック・駅伝での活躍から、かなりの快走が期待できるメンバー。シドニー五輪5000m代表だったギタヒ(日清食品)を筆頭に、ギタヒらと国内ケニア選手最強の座を争っているサイモン・マイナ(トヨタ自動車)、今季実業団入りして一段と成長したカビル(ホンダ)ら。27分台が5人揃ったが、記録的な部分よりも“駅伝を知っている”という点がアドバンテージ。エチオピアに対抗することも可能だろう。
この他ではポルトガル、ロシア、南アフリカが粒ぞろいのメンバーで、上位進出を狙う。
今回は“1強”(エチオピア)とも“2強”(エチオピア・ケニア)とも言われ、日本がそこに加わって“3強”となれるかどうかに注目が集まる。メンバー的に見て日本の苦戦は間違いない。下手をすれば2分以上離される可能性もある。だが、希望がないわけではない。スピードが持ち味の選手と粘りが身上の選手、揺さぶりに強い選手と、特徴のある顔ぶれとなった。適性のある区間で各選手が特徴を発揮すれば、「1+1」が「2.5」にも「3」にもなるのが駅伝。その部分に、“駅伝先進国”日本の活路がある。
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