日本選手プロフィール<男子>

●山口洋司(NEC)
1975年6月12日生まれ。183cm・63s。大阪府大体大浪商高→明大出身。
 高校・大学と陸上競技の名門校ではあったが、長距離の強豪ではなかった。そのため、頭角を現したのは遅かったが、NEC入社2年目に1万mで28分12秒58と日本のトップレベルに進出。1月の全日本実業団対抗駅伝では現在、1区で3年連続トップ。1〜3月のクロスカントリーでも好調で、過去3回、世界クロスカントリー選手権に出場している。しかし、トラックシーズンが進むと記録が落ちる傾向があった。今年は世界クロスカントリーを回避し、トラックでの記録更新に焦点をしぼった。それが功を奏して5月のカーディナル招待(アメリカ)で27分57秒74をマーク(今回の代表メンバー中最高タイム)。長距離ランナーの憧れである“27分ランナー”の称号を得た。

●岩佐敏弘(大塚製薬)
1976年5月18日生まれ。172cm、57kg。徳島県生光学園高出身。
 今年の釜山アジア大会5000m4位。メダルには届かなかったが、ペースの切り換え能力は日本選手有数と言われている。97年の国際千葉駅伝(4区区間6位)が初の国際舞台。翌98年に福岡で行われたアジア選手権1万mで2位に。シドニー五輪代表には届かなかったが、2000年には海外遠征で28分06秒89と五輪A標準を突破。昨年も国際千葉駅伝に出場したが、2区で区間10位と不調。今回が雪辱戦となる。
 01年2月の別大で初マラソン(5位・2時間12分35秒)、同年ベルリンを経て、今年のびわ湖では2時間10分17秒と“サブテン”目前にまで来た。チームの先輩の犬伏孝行(元日本最高記録保持者)とは、また違ったタイプのマラソン選手になるのではないかと、関係者の期待を集めている。

●油谷 繁(中国電力)
1977年2月8日生まれ。163cm、51kg。山口県美祢工高出身。
 2001年エドモントン世界選手権マラソンで、日本人最高の5位に入賞した。2000年びわ湖で初マラソン(2時間10分48秒)。昨年3月の同大会で2時間07分52秒の日本歴代5位をマークして日本人1位となり、世界選手権代表に。3回目のマラソンで世界に躍進した。今季はマラソンには出場せず、5000m・1万m・ハーフマラソンに積極的に出場。5000mとハーフマラソンで自己記録を更新するなど、スピード強化に取り組んだ。この冬の間に1レース、マラソンを予定している。
 昨年の国際千葉駅伝ではアンカーを務め、5位から2位にチームを引き上げた。小柄で、キレのあるスピードというよりも、粘り強い走りが身上。

●三代直樹(富士通)
1977年3月16日生まれ。166cm、52s。島根県松江商高→順大出身。
 昨年のエドモントン世界選手権1万m出場、ベスト記録は27分台と、日本を代表するスピードランナー。96年の世界ジュニア1万m7位入賞、97年にはユニバーシアード2種目入賞、そして99年のユニバーシアード2種目メダル獲得と、国際舞台での実績を着実に積み上げてきた。しかし、世界選手権後は椎間板ヘルニアが悪化し、今年の2月に手術。今季のトラック・シーズン前半は試合に出場できなかった。
 学生時代も日本インカレ2冠などタイトルを獲得してきたが、圧巻は4年前の箱根駅伝。渡辺康幸が持っていた2区で区間記録を更新し、母校・順大の総合優勝に貢献した。その箱根駅伝前に出場したのが国際千葉駅伝(3区区間3位)だった。

●佐藤敦之(中国電力)
1978年5月8日生まれ。170cm、55s。福島県会津高→早大出身。
 今年の釜山アジア大会1万mこそ6位と失敗したが、今季は日本選手権1万mで2位、世界ハーフマラソン選手権で8位に入るなど、トラック&ハーフマラソンでの進境が顕著だった。同じ福島県出身の小川博之(日清食品)とともに、中学時代から全国のトップレベルをキープ。早大でも4年時に日本インカレ1万m2位。マラソンでは3年時のびわ湖マラソンで2時間09分50秒と、福島県の先輩である藤田敦史(前日本最高記録保持者)の学生記録を更新。しかし、箱根駅伝では区間賞などはなく、4年時には疲労から来る不調が原因で欠場。実業団1年目の昨年に復調し、1万mでは自己記録を更新。期待された福岡国際マラソンでは失敗しているが、1カ月後の全日本実業団対抗駅伝ではエース区間の2区で区間2位と好走。チームの2位進出に貢献した。

●岩水嘉孝(トヨタ自動車)
1979年6月20日生まれ。174cm、50kg。愛知県豊川高→順大出身。
 今年の釜山アジア大会3000m障害で2位同着の銀メダル。フィニッシュ前でカタールの選手を激しく追い込んだ闘志あふれる走りは、多くの陸上ファンに感銘を与えた。昨年はエドモントン世界選手権にも出場。予選落ちに終わったが、同じ8月のユニバーシアードでは自己ベストに迫る記録で5位。1万mで28分20秒台、学生駅伝でも20kmの区間でエースとしての走りを見せた。
 しかし、今年は箱根駅伝欠場に始まり(肺気胸で1月に手術)、4月に練習を再開したが、4月末の織田記念5000mで左脚ふくらはぎを肉離れ。6月の日本選手権にぎりぎり間に合わせたが、ブランクの影響で今季は3000m障害に焦点を合わさざるをえなかった。そのためスタミナには不安があったが、アジア大会後から駅伝に向けて練習の流れも変更。中部実業団対抗駅伝では5区で区間2位ながらも、区間新をマークした。


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